子どもの「自画撮り」被害深刻 幼少時から性教育を:埼玉 - 東京新聞(2018年11月25日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201811/CK2018112502000158.html
https://megalodon.jp/2018-1125-1047-07/www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201811/CK2018112502000158.html

だまされたり、脅されたりして携帯電話などで自分の裸を撮って他人に送ってしまう「自画撮り」の被害が深刻だ。今年上半期に全国の警察が摘発した児童ポルノ事件の状況別では四割近くを占めて最多。保護者向けの性教育に取り組む民間団体は「被害防止には、子どもたちが自分の体の大切さを自覚することが大切だ」とし、幼少時から性知識を伝える必要性を指摘している。 (浅野有紀)
県警によると、児童に自画撮りをさせたとして昨夏に児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで書類送検された三十代の男は、隣県の小学六年生の女児(12)とスマートフォンのコミュニケーションアプリ「moca」で知り合った。
女児が「友達募集」と書き込み、返信した男と無料通信アプリ「LINE(ライン)」でやりとりするように。男は女児が小学生と知り「かわいいね」などと甘い言葉を投げ掛けて裸の写真を撮影させ、送らせていた。女児は恋愛に興味があり、自画撮りに抵抗感はなかったという。
県警幹部は「自分の裸の写真を送ることを何とも思ってない子が多い」と子どもたちの無防備さを危惧する。
警察庁のまとめでは、全国の警察が今年上半期に摘発した児童ポルノ事件は千四百二十三件(前年同期比二百八十一件増)で、統計を始めた一九九九年以降で最多。うち自画撮り被害が39%を占めていた。
県内や東京で保護者向けの性教育講座「パンツの教室」を開く酒井博子さん(36)=さいたま市桜区=は「性犯罪に遭わないための性教育は、中高生になってからでは遅い」と指摘。親との会話が減りがちな思春期に入る前に、親子で性の話ができる関係を提案する。
講座では、男女の体の仕組みや子どもが生まれる過程などをカードを使って楽しく学ぶ。酒井さんは「性について知れば、自分の体の大切さに気付き、無防備なことはしなくなる」と説明する。
講座の体験会に参加した加須市の主婦(35)は、二歳〜小学一年生の三人の子の母親。小学校では性に関する言葉が飛び交っているといい「学校では踏み込んで教えてもらえないので、今のうちから少しずつ身の守り方を伝えたい」と話していた。

講座の申し込みは「パンツの教室」
https://pantsu-kyoshitsu.com/