自民の憲法草案が現実になったら? 弁護士が小説で描く - 朝日新聞(2016年8月25日)

http://digital.asahi.com/articles/ASJ8L5747J8LUTIL028.html
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自民党日本国憲法改正草案が現実になったら、世の中はどう変わる? 弁護士が「もしも」の世界を描いた小説「未来ダイアリー」を25日に出版する。遠い存在と思われがちな憲法を、一人ひとりの暮らしに引きつけて考えるきっかけにして欲しいと願う。
筆者は内山宙(ひろし)弁護士(41)=静岡県弁護士会。「明日の自由を守る若手弁護士の会」に所属し、フランス革命を舞台にした漫画「ベルサイユのばら」や映画「スター・ウォーズ」を題材に憲法とは何かを講演。自由や平等、権利の意味を市民にわかりやすく語りかけてきた。
内山さんの活動に注目し、小説の企画を持ちかけたのは雑誌「週刊金曜日」副編集長の宮本有紀さん。「憲法は自分とは関わりがないと思っている人たちに、憲法が変わると具体的にどう生活に影響するのかを伝えたかった」と話す。
憲法24条で「家族の助け合い」が義務化された結果、子育ては家庭でやるものだと強調されて保育所が不足したり、国会前のデモに対し、内乱などの場合に政府に権限を集中させる緊急事態条項の適用が検討されたり……。小説で描かれる世界は自民草案の論点を考える内容になっている。
内山さんは裁判所の書記官をしながら法科大学院に通い、2007年に司法試験に合格。書記官時代は、裁判所の周辺で行われるデモを冷ややかに見ていた。それを変えたのは、12年の自民草案の公表であり、13年の特定秘密保護法強行採決、そして、街頭で抗議に立ち上がった学生たちとの出会いだったという。
内山さんは言う。「『こんなはずじゃなかった』と後悔しないためにも、まず、憲法とは何かを知ることが大切です」
出版社「金曜日」から、税抜き1千円。(編集委員・豊秀一)

未来ダイアリー もしも、自民党改憲草案が実現したら?

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