参院選あす公示 選挙の意義は憲法冒頭に - 東京新聞(2016年6月21日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201606/CK2016062102000126.html
http://megalodon.jp/2016-0621-0932-49/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201606/CK2016062102000126.html

憲法の前文の冒頭の一文を今、読み返してみたい。
「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」で始まり「主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」で結んでいる。憲法は何よりも先に、主権者は国民であり、その主権は選挙で選ばれた国会議員を通じて間接的に行使されるとうたっているのだ。
元東大学長の佐々木毅氏は本紙のインタビューで、選挙を「国民と政治との関わり方の中で一番正式の制度」と位置づけ、主権者の手によって民主主義のサイクルを回すものだと語っている。
十八歳、十九歳の約二百四十万人が新たに有権者に仲間入りした参院選が二十二日、公示される。日本の明日を選ぶ重要な選挙だ。各政党の公約を吟味し、候補の訴えに耳を傾けて貴重な一票を投じる必要があるが、その前に、選挙は私たち主権者の代表を選ぶ、大切なしくみであることを忘れるわけにはいかない。参院選憲法が大きな争点となる。安倍晋三首相は参院選後の臨時国会から具体的な改憲内容について議論を始めたいという。その選挙だからこそ、憲法前文の一文と選挙の重みを胸に刻み、与えられた権利を行使したい。