中国帰国者の「学びの場」 32年の歴史に幕 所沢・定着促進センター:埼玉 - 東京新聞(2016年3月8日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201603/CK2016030802000196.html
http://megalodon.jp/2016-0309-0920-01/www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201603/CK2016030802000196.html

◆6644人が巣立つ 所沢・定着促進センター
中国残留孤児らが日本に帰国後、宿泊しながら日本語や生活習慣を学ぶ国内唯一の施設「中国帰国者定着促進センター」(所沢市)の閉所式が七日、同市の所沢市民文化センターミューズであった。定着促進センターで学んだ帰国者やセンターの関係者ら約百人が出席し、一九八四年の開所以来三十二年間の歩みを振り返った。
センターは帰国者の減少に伴って今月末で閉所し、四月から通所式の中国帰国者支援・交流センター(東京都台東区)に役割が引き継がれる。これまでに帰国者六千六百四十四人が所沢のセンターで学んだ。
式典で小林悦夫所長は「開所以来、所沢市や近隣自治体、支援団体などにお世話になり、帰国者のために心血を注いだ職員も膨大な数に上る。多くの人の善意と協力に支えられてきたことを感謝したい」とあいさつ。帰国者代表の一期生、松本斗機雄(ときお)さん(73)=東京都西東京市=は「センターで知識を身に付け、安心して社会に歩き出すことができた。今後も祖国に貢献したい」と述べた。
続いて写真のスライドショーがあり、かつてのセンターの様子がスクリーンに映し出されると、帰国者たちは当時を懐かしんだ。終戦前後に中国東北部で両親を亡くし、九四年に帰国した横井春美さん(76)=同港区=は「センターでは毎日勉強が大変だったけど楽しかった」。八九年にセンターで学んだ佐久間黎明(れいめい)さん(74)=同国分寺市=は「久しぶりに所沢に来られたので良かった」と話した。 (服部展和)

参考サイト)
NPO法人 中国帰国者の会
http://www.kikokusha.com/