(政界地獄耳)経済・外交音痴の安倍首相を世界が警戒 - 日刊スポーツ(2016年2月27日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1609608.html
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★国内での首相・安倍晋三の評価は閣僚の不祥事や不規則発言、党内の暴言など、管理責任が問われる失点があるものの安倍本人の評価が下がっているわけでもないという認識だが、それは既に軽減税率や、放送法をちらつかせてメディアをコントロールしているからだ。実際には世界から安倍は非難されたり警戒され始めている。
★まずはアベノミクスの評だろう。ウォール・ストリート・ジャーナルやロイターなどはアベノミクスの失敗を昨年末から繰り返し言い続けているが、25日、首相は講演で「日本経済のファンダメンタルズはしっかりしており、好循環は確実に生まれている。アベノミクスが失敗したという言説はまったく根拠がない」と自信を見せたが、その言葉を信じる環境はマーケットにない。
北朝鮮の“ミサイル発射”で大騒ぎした日本は、独自の経済制裁北朝鮮に発動するなど毅然(きぜん)とした対応をとったが、大切なのは日米韓の連携により経済的にも軍事的にも包囲網を敷くことだった。ところが発射直後から米国は軍事行動のけん制をしながら秘密裏に中国と交渉を続け、その結果が24日発表された中国の習近平国家主席が3月末、ワシントンで開かれる「核保安サミット」出席の報だ。日本は終始蚊帳の外にいたといえる。また拍車をかけるように今月9日に行われた日米首脳電話会談時に、米オバマ大統領が首相のロシア訪問に懸念を伝えていたことが伝えられた。このタイミングでの訪露は西側主要国の足並みを乱し、5月の伊勢志摩サミットの成否にかかわる。大統領選挙の年の米大統領レームダック状態といわれるが、日本に対して、いや安倍に対してオバマ大統領は厳しい対応で臨んだといえる。これでは首相は経済音痴、外交音痴ということになる。(K)※敬称略