(地獄耳)自民各派、党員はどこを評価しているのか - (2018年7月30日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201807300000126.html
http://archive.today/2018.07.30-011017/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201807300000126.html

自民党総裁選は既に、各派閥が首相・安倍晋三支援で固まったとの報道であふれているが、では各派や党員は安倍政権のどこを評価しての3選支持なのか。そもそも国有地のタダ同然の払い下げ、公文書の改ざんや国会での虚偽答弁、森友学園疑惑では自殺者まで出した。党員や議員諸君は、これを政府が言うように「一点の曇りもない」と本当に思っているのか。
アベノミクスについて、自民党議員は最近何も言わなくなった。首相は選挙の度、経済を最優先課題と言い、アベノミクスの異次元金融緩和と年金基金公的資金の株式市場への投入で、株価が上がった。いわゆる官製相場の演出だ。だが消費や経済成長は低迷し、実質賃金も低下。当初目標の2%のインフレも達成できていない。先の国会では過労死を助長する可能性があり、誰も賛成していない働き方改革を強引に成立させ、財界の機嫌を取った。
★数字のマジックも長期政権で上手になった。有効求人倍率が良くなったと自慢するが、団塊世代の一斉退職と人口減少により勤労者人口が減少したのだから、当然である。その間の構造改革は、都合のいい特区制度で加計学園疑惑を引き起こしただけだ。それでも党議員の多くはいまだに「内政はとにかくも外交は安倍しかできない」とご自慢の外交を持ち出すが、その外交は一体、どこがすごいのか。
★ご自慢の「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」も、北朝鮮の非核化交渉では蚊帳の外だった。日朝はおろか、20回以上会談してきたロシアのプーチン大統領との北方領土問題など、1ミリも進展していない。日韓、日中はほとんど党幹事長・二階俊博が外相や首相の肩代わりをしていると言っていい。日米に関しては武器を高値で買わされるなど、トランプ大統領に翻弄(ほんろう)されているだけだ。首相はこの5年間で70カ国以上を訪問したが、税金をばらまくことには積極的。だが結果など求めてはいけない。いい顔をしたいだけだからだ。これが安倍3選確実の実態だ。(K)※敬称略