もんじゅ受け皿探し始動 文科省の検討会が初会合 - 中日新聞(2015年12月28日)

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文部科学省は二十八日、原子力規制委員会から運営主体の変更勧告を受けた高速増殖原型炉もんじゅ福井県敦賀市)の受け皿について議論する有識者検討会の初会合を開催した。半年程度で意見を取りまとめ、原子力規制委員会に回答する予定だ。
もんじゅにはこれまで一兆円超の国費が投じられたが、文科省が新たな運営主体を示せなければ廃炉が現実味を帯び、核燃料サイクルは重大な岐路に立つ。
検討会の座長には元東京大学長で文相や科学技術庁長官を歴任した有馬朗人氏が就いた。
有馬氏は廃炉の可能性について会合後「全くゼロとは言わないが小さな可能性だ。これだけの資本を投資し研究者もいる。活用できるものは活用していく」と述べる一方、受け皿探しの見通しについては「今日は姿がまだ見えない。これから検討する」とするにとどめた。
この日の会合では文科省が主な論点として(1)運転管理に必要な技術(2)保守管理の在り方(3)組織運営−を提示した。
検討会の委員は法律や工学に詳しい大学教授、企業関係者など八人。馳浩文科相は会合後「具体論はまた違った委員を検討した方が良い」と語り、議論が一定程度進んだ段階で委員を入れ替えたり追加したりする考えを示した。
規制委は十一月、現在の運営主体の日本原子力研究開発機構が「必要な資質を有していない」として別の運営主体を探し、半年をめどに回答するよう馳文科相に勧告した。
しかし、もんじゅは扱いの難しいナトリウムを冷却材に使用するなど、電力会社が保有する一般的な原発と発電の仕組みが異なり、受け皿は容易に見つからないとみられている。もんじゅは一九九四年に初臨界に達したが、翌年ナトリウム漏れ事故を起こし、その後ほとんど動いていない。