「一生派遣」野党反発 期限撤廃 法改正案 審議入り - 東京新聞(2015年5月13日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015051302000138.html
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派遣労働者を企業が受け入れられる期間の上限を実質的に撤廃する労働者派遣法改正案は十二日の衆院本会議で、安倍晋三首相が出席して趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。政府・与党は三度目の提出となる今国会中に成立させる方針だが、民主党共産党などは「一生派遣という人が増える」などと猛反発した。
同法案は、同じ仕事には最長三年間しか派遣労働者を受け入れられないとする現行の規定をなくす内容。企業は労働組合の意見を聞けば、人を入れ替えながら同じ職場でも受け入れを続けられる。政府は派遣を固定化させないためとして、派遣会社には派遣労働者のキャリアアップに向けた職業訓練や、派遣契約が終わった後の直接雇用を受け入れ企業に依頼することなども新たに義務付ける。
質疑で、民主党大西健介氏は「無期限に受け入れ可能となれば、正社員の仕事も派遣に切り替えられる」と指摘。維新の党の井坂信彦氏も「望まない派遣労働者の雇用枠が増える」との懸念を示した。首相は派遣会社に雇用の安定策を義務付けたことを挙げ、「一生派遣の労働者が増えるという指摘は当たらない」などと反論した。
共産党の堀内照文氏は派遣会社による直接雇用の依頼について、「圧倒的に力の強い派遣先企業が断れば正社員の道は断たれる」と疑問視。首相は「派遣先にも、派遣労働者への正社員募集の情報提供を義務付けた」などと強調した。
同法案は昨年の通常国会臨時国会に提出されたが、所管する厚生労働省が罰則に関する条文を誤記したり、衆院が解散したことでいずれも廃案になった。