歴史問題でメルケル首相講演 「過去と向き合うこと」7年ぶり来日-東京新聞(2015年3月9日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015030902000228.html
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メルケル氏は講演後、戦後七十年を迎えた日本が歴史問題をめぐり、中国や韓国との対立をどうやって克服すべきかとの質問に対し、ナチスによるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)の歴史を背負うドイツが第二次大戦後「過去ときちんと向き合った」ことで、国際社会に受け入れられたとの考えを示した。

東京電力福島第一原発事故については日本という高い技術水準の国でも予期しない事故が起こりうると分かったからこそ、自国での「脱原発」を決めたと述べた。

講演では、日本人人質事件で「日本人二人が殺害されたが、自由や寛容の信念は曲げられない」と強調した。日本、インド、ブラジルと協力し、国連安全保障理事会の改革のため尽力するとの考えも表明した。

ウクライナ東部紛争や欧州の安全保障問題にも言及。東部で親ロシア派武装組織を支援するロシアの対応を批判し、日本がドイツと共に対ロシア経済制裁を科していることに「感謝している」と表明、外交解決を模索していく意欲を強調した。メルケル氏は六月にドイツで開く主要国首脳会議(サミット)の議長を務める。