<教研集会>学校使用不許可は違法…大阪市に賠償命令-毎日新聞(2014年11月26日)

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大阪市が教職員労働組合の教育研究集会に学校を使わせなかったのは違法として、市教組が市の使用不許可処分の無効確認と約620万円の国家賠償を求めた訴訟の判決が26日、大阪地裁であった。中垣内(なかがいと)健治裁判長は市の処分を違法と判断し、約40万円の賠償を市に命じた。さらに、市が処分の根拠としている市労使関係条例の「組合活動に便宜供与はしない」という条文について、今回の違法な処分を正当化するために適用する限り、「職員らの団結権を保障した憲法28条に違反し、無効だ」とした。

◇大阪地裁判決
中垣内裁判長は「教研集会の意義などを十分考慮せず、条例の存在だけで判断した市の処分は合理性を欠く」と市の対応を厳しく批判した。無効確認に関しては「過去のことで訴えの利益がない」と却下した。

判決によると、市教職員組合日教組系、組合員約4500人)は約40年前から毎年秋に学校を借りて教研集会を開いてきた。教職員の指導力向上を目標に議論などをしている。

市教組は2012年7月と13年7月、市立小学校の使用許可を校長に申請したが、いずれも許可しなかった。根拠としたのは、橋下徹市長の主導で12年8月に施行された労使関係条例の条文だった。

判決は、教研集会について「教員らによる自主的研修の側面もある」と指摘。市の処分を違法とし、市教組側が払った代替施設の使用料分などとして約40万円の賠償を命じた。

労使関係条例について「橋下市長が労組の団結権などを侵害する意図を持って制定したとみざるを得ない」と批判。違法な処分を正当化するために適用すれば違憲となり、今回の処分の根拠としては認められないと結論付けた。【堀江拓哉】

大阪市の労使関係条例◇
橋下徹市長が「政治や人事に介入する職員労組は不適切だ」として2012年に議会提案、8月に施行された。組合活動への便宜供与をしないと定めた他、組織運営や人事に関する労使交渉を禁じた。