特集ワイド:集団的自衛権行使で岐路 「平和の党」公明、理念とホンネ - 毎日新聞(2014年6月4日)

http://mainichi.jp/shimen/news/20140604dde012010005000c.html

◇「政策実現」との板挟みに

3日の山口代表の定例記者会見で質問してみた。「公明党として譲れないラインはどこでしょうか」と。すると「そのような質問にはお答えしにくい。公明党は従来の政府の考え方に立っているわけで、そこから外れて独自のことを言っているわけではない」と答えるにとどまった。

公明党には、どうしても連立を解消できない事情がある」と指摘するのは政治評論家の有馬晴海氏だ。「自民党との連立政権を組んだのが99年。もう離れられない関係になっている。連立参加以後、度重なる児童手当の拡充や2兆円規模の定額給付金など、『ばらまき』と批判されても庶民・生活者重視の福祉・経済政策を実現してきた。今の消費増税論議では、食料品などの軽減税率を求めている。学会も公明党の政策実現を期待している面があり、安保の路線の違いだけで連立を離脱できる状態ではない」

板挟み状態の公明党。どんな落としどころが考えられるのか。「とにかく自民党との合意文書に『集団的自衛権』という文言を入れたくないはず」と有馬氏。一方、鈴木氏は「来春の統一地方選の候補者選びが始まっており、12月に任期満了を迎える沖縄県知事選、軽減税率の対象品目についての検討もある。集団的自衛権論議などしている雰囲気ではなくなる。与党合意を来年の統一地方選後まで遅らせたいのが本音だろう」。

しかし、問題を先送りにしても、本質的解決にはつながらない。公明党安倍自民党の綱引きは正念場を迎えている。