改正少年法審議入り、「特急成立」への懸念-保坂展人のどこどこ日記(2008年05月27日)

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/0839255beccb408f656240b5c3ac05e5

昨年に14歳未満の少年を「少年院送致」することが出来る改正少年法が成立して1年もたたないのに、「犯罪被害者の少年審判傍聴を可とする」少年法改正案の審議が衆議院で始まった。「少年法戦後60年うまく機能してきたかどうか」と鳩山大臣に聞いても、「むずかしい根本的な質問ですね」と言って答えられない。(中略)

しかし、委員会のムードは去年激しく「少年法」をめぐって論戦をかわした時期とはうってかわって、「なごやかに話し合う」ムードが充満しており、会期が残り少ないにもかかわらず、しっかりと時間をかけて審議をした上での与野党修正協議ではなく、先を急いで、すでに実質的な「修正作業」に自・公・民が始まっている。私は、「少年審判に犯罪被害者が傍聴する」という事態が、今後の少年事件の審判廷の調査にどのような影響を与えるのかについては、徹底的な検証が必要だと考える。しかし、与党側は会期末を効率的に使ってスピード審議を行えるという展望を持ち始めているようで、私は審議がロクロクないままに成立した「裁判員法」の如く、制度の運用が近づいてから「国会の議論はどうだったんだ」と嘆かなければならないような拙速審議になってはならないと重大な懸念を持っている。