少年法「改正」案が成立 少年審判への傍聴が可能に-全司法労働組合(2008年7月-2059号)

http://www.zenshiho.net/shinbun/2008/2059.html#02

 少年審判への被害者等の傍聴制度の新設などを含む「改正」少年法が、08年6月11日、参議院本会議で可決・成立しました。第169回国会の会期末、総理への問責決議案によって与野党対立が決定的になる直前、公務員制度改革基本法と同様に、「改正」少年法民主党修正案を自公与党が丸飲みする形で審議開始となり、5月27日から6月10日までの2週間で、衆参両法務委員会を通過させるという強行審議がなされました。
 本部少年法対策委員会では、慎重審議を求め、意見書提出や全国職場調査、各種シンポや市民集会への参加、議員要請やFAX要請を実施してきましたが、残念な結果となりました。
 ただし、これらの行動の成果として、今回の「改正」に関し、参議院での附帯決議のなかで、『家庭裁判所調査官、裁判所書記官等の増員』を明記させるという到達点を築きました。
 今回の主な「改正」内容は別表のとおりですが、一定の制限はあるにせよ、「少年審判の傍聴」が可能となり、さらに「少年審判の状況の説明」「少年・保護者への付添人弁護士の選任や付添人弁護士からの意見聴取」といった新たな業務が加わったことは、職場に大きな変化をもたらす可能性があります。また、モニター傍聴の適否についての検討・検証作業も課題とされています。
 「改正」は、08年12月にも施行される可能性があり、今後、最高裁当局は少年審判規則の改訂作業に入ると思われます。引き続き、家庭裁判所の人的・物的体制の整備にむけて、少年法対策運動を強化する必要があります。