(政界地獄耳)権威も見識も品位もない三権の長 - 日刊スポーツ(2018年12月24日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201812240000205.html
http://archive.today/2018.12.24-022246/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201812240000205.html

★今国会では衆参の議長の振る舞いが話題になった。言うまでもなく両議長は三権の長だ。行政の長である内閣は首相・安倍晋三、司法の長である最高裁判所長官・大谷直人、そして立法の長は衆院議長・大島理森参院議長・伊達忠一となる。15日の参院本会議では自民党議員が「山陰や四国など全国津々浦々まで新幹線ネットワークを広げるべきだ」などとする質問を終え、議長席に一礼した際、伊達が「北海道新幹線が入ってないじゃないか」とつぶやいた。

★伊達は北海道選出。これには与野党から「中立性に欠く」と強い批判が出た。7日参院本会議では自由党森ゆうこが時間制限の15分を超えて演説を続けており伊達は「簡単に願います」「発言を禁止せざるを得ない」「発言をやめなさい」、さらには「連れて行けって」、そして「やめさせて連れて行けっちゅうの」と言い出した。すでに権威も見識も品位もなくなった。

★大島は7月に通常国会閉会時にも財務省の森友問題を巡る決裁文書の改ざん、厚生労働省による裁量労働制に関する不適切なデータの提示、陸上自衛隊の海外派遣部隊の日報に関するずさんな文書管理などを挙げ「これらは法律制定や行政監視における立法府の判断を誤らせる恐れがあり、議院内閣制の基本的な前提を揺るがす」と苦言を呈したが、21日、講演で改正入管難民法の内容に関し「少し粗い。説明責任は政府にある」と述べた。また、外国人労働者受け入れに反対の党はないとして「与野党には合意形成に努めてほしかった」と再度、国会の在り方に憂慮した発言を繰り返した。この件に関して大島は既に法律は可決しているものの議長裁定で来年4月の法施行前に政省令を含めて国会報告させるとしている。議員の劣化か三権の長の劣化か。(K)※敬称略

入管法改正 日本語苦手な在留日系ブラジル人 「仕事奪われる」募る危機感 - 東京新聞(2018年12月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122402000124.html
https://megalodon.jp/2018-1224-1128-39/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122402000124.html

外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法などの改正には、既に在留資格を持つ日系ブラジル人が危機感を募らせている。これまで日本語を話せなくても定住が認められ、単純労働にも就いてきたが、新資格で一定の技能と日本語を備えた外国人が来れば「仕事を奪われかねない」と警戒。日本語学習を後押しする動きも始まっている。 (井上靖史)
「群馬とブラジル人は切り離せない。日系の子どもに日本語をしっかり教えたい」「建設現場で働いてほしいけど、日本語を話せないと難しい部分がある」
今月上旬、群馬県大泉町東武小泉線西小泉駅近くにある複合商業施設ブラジリアンプラザ。日系ブラジル人や日本語教室の主催者、日系人を雇っている企業の経営者ら十人ほどが集まり、意見を交わしていた。
呼び掛けたのは横浜市鶴見区日系ブラジル人三世で会社員の橋本秀吉さん(55)。福岡県から一九一四年にブラジルに移住した祖父母を持ち、来日して約三十年になる。
新たな在留資格の創設を見据え、今秋からブラジルや日本のビジネスマンや住民が、さまざまな課題を話し合う会議を開催。住民の18%を外国人が占める大泉町と、多文化共生の取り組みに積極的な鶴見区で月一度、テーマ別に開いている。
これまで日系人は必ずしも地域に溶け込めてきたわけではなかった。国は生活支援を自治体に丸投げし、「共存」の模索は今も続く。大泉町を含む全国十五の市町でつくる「外国人集住都市会議」は十一月、「共生施策を伴わない外国人材の受け入れ拡大は地域に大きな混乱を招くことを私たちはこれまで経験してきている」とつづった意見書を政府に提出。とりわけ全ての外国人が日本語を学べるよう、公的な仕組みの確立を切望した。
経営する工業部品製造工場などで日系ブラジル人を多数雇う「アバンセホールディングス」(愛知県一宮市)代表の林隆春さん(68)は大泉町の事情にも明るく、「言葉が分からないから仕事に就けず、税金も納められずに地域で浮いている人は少なくない」と指摘する。会社に貢献してもらった謝意から、ブラジルに恩返ししたいと会議に参加。「一定の日本語力と技能を持った若い外国人が入ってくれば日系は駆逐される。ますます困窮することにもなりかねない」と懸念する。実際、シャープの亀山工場では今年二月以降、日系人約二千九百人が雇い止めされる事態も起こっている。日系人を取り巻く環境は厳しさを増している。
会議では、林さんの親族がブラジルで日本語教室を今年から始めたことや、群馬県の地銀の元行員が無償で日本語教室を始めたことなどを報告した。
橋本さんは「日系ブラジル人は四十〜五十代も増え、高齢化も迫ってきた。将来、多くの人に支えてもらうためにも地位向上に向け頑張らないと」と話す。

<国内の日系人> 1990年施行の改正入管難民法で、日系2世と3世に定住資格が認められ、日本人移民の多いブラジルやペルーなどから「デカセギ」のため多数来日した。4世は簡単な日常会話の理解などを条件に就労可能な最長5年の「特定活動」の在留資格が今夏から認められている。公益財団法人海外日系人協会によると、日本に住む日系人は約25万人(2017年現在)。

幼保無償化 6割超「反対」 保育士・幼稚園教諭「利用増え質低下」 - 東京新聞(2018年12月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122402000115.html
https://megalodon.jp/2018-1224-1130-14/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018122402000115.html

来年十月に実施予定の幼児教育・保育無償化に対し、民間アンケートで、保育士と幼稚園教諭の七割近くが「反対」と回答した。保育の利用申し込みが増えて現場の業務も増加し、「保育の質」が低下することを懸念している。
調査は、保育士の就職支援サイトを運営するウェルクス(東京都)が九月にインターネットで実施。保育士・幼稚園教諭の資格を持つ全国の二十〜六十代の男女六百八十七人が回答した。
「無償化をどう思うか」との質問に67・1%が「反対」、32・9%が「賛成」と答えた。反対と答えた人に「不安に思うこと」を聞いたところ「業務負担の増加」「保育の質低下」「待機児童の増加」が多かった。
無償化よりも必要なことを聞くと「保育士の確保」(82・8%)「保育園の増設、定員枠の拡大」(30・2%)などが挙がった。
自由回答では「必要性がないのに『無料なら預けてしまおう』という親が増え、現場の負担が増える」などと心配する声が多かった。
担当者は「無償化は保護者からは歓迎する声がある一方、深刻な保育士不足で苦しむ現場は不安に思っている。保育士確保や待遇改善も同時に進める必要がある」と強調している。
無償化は、安倍晋三首相が昨年秋の衆院選の目玉公約として掲げ、子育て世帯の負担を軽減するのが狙い。三〜五歳児は認可保育所の利用料を無料とし、幼稚園は月二万五千七百円を上限に補助する。

週のはじめに考える 断頭台を捨てるまで - 東京新聞(2018年12月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018122402000149.html
https://megalodon.jp/2018-1224-1131-14/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018122402000149.html

二〇一八年は、十三人の死刑執行でオウム真理教の一連の事件に幕が引かれた年と記憶されることになるでしょう。死刑を見つめ直す時が来たのでは。
時計の針を戻してみます。
人権宣言の国であることを思えば意外な気もしますが、フランスは一九七〇年代、西ヨーロッパでは唯一、昔ながらの死刑制度を残す国になっていました。
民主主義国家では例外的な死刑存置国となっている今の日本と似たような状況にあったといえるかもしれません。では、何がフランスを変えたのでしょう。

◆革命とともに生まれ
人権宣言と同じように、その死刑制度は一七八九年に始まるフランス革命と深い関係があります。
革命までは、フランスの死刑は平民には絞首刑、貴族階級に限って斬首刑が適用されていたようです。身分や貧富に関係なく、無用の苦痛を与えず名誉ある斬首刑を執行できるという断頭台、つまりギロチンが提案されたのは革命勃発後の議会でした。一七九二年以降、死刑はギロチンで執行されることになります。
国王ルイ十六世も王妃マリー・アントワネットも、革命の指導者だったロベスピエールもダントンも、あるいは市井の犯罪者も、同じようにギロチンで首をはねられました。革命とともに生まれたギロチンは、結局、一九七七年まで使われ続けます。
他方、死刑廃止を求める動きも革命勃発直後から現れています。議会に初めて死刑廃止の要求が出されたのは一七九一年のことでした。その後、数えきれぬほどの政治指導者や文化人が死刑廃止を求めて声を上げてきました。
例えば「レ・ミゼラブル」のビクトル・ユゴー。あるいは「異邦人」のアルベール・カミュ
百九十年に及ぶ存廃論議に終止符を打って死刑が廃止されたのは一九八一年のことでした。

◆世論の過半は死刑賛成
時の法相だったロベール・バダンテール弁護士の回想録「そして、死刑は廃止された」(藤田真利子訳、作品社)が、その経緯を教えてくれます。
第二次大戦後、西欧諸国が相次いで死刑を廃止し、死刑廃止と犯罪発生率には関係がないことが明らかになってきました。それでもフランスでは、特に子どもが犠牲になる凶悪犯罪が起きるたびに死刑を求める世論が強まる、という状況が続いていました。
つまり死刑廃止は、選挙に勝たねばならぬ政治家にとって、触れたくない課題だったわけです。
八一年の大統領選は、最終的には中道右派の現職ジスカールデスタン氏に左派のミッテラン氏が挑む構図となりました。候補者は死刑への姿勢も問われることになります。直近の世論調査では、63%が死刑賛成でした。
私的な場では死刑に嫌悪感を示していたジスカールデスタン氏でしたが、テレビ番組では「フランス国民を代表して統治するわけですから、国民の気持ちに逆らう権利はないものと考えます」。つまり、動くつもりはない、と。
逆に、ミッテラン氏は「世論の過半は死刑に賛成ですが、私は良心に基づいて死刑に反対します」と、姿勢を鮮明にしたのです。
当選したのはミッテラン氏でした。新大統領は、死刑廃止の論客として知られたバダンテール氏を法相に起用し、死刑廃止法案をまとめさせました。法案は大統領与党の左派議員のみならず、野党となった右派からも相当数の議員が賛成に回って可決された。こうしてフランスはギロチンを引退させたのです。
日本では、一九八九年からしばらく死刑執行が途絶えた時期がありました。死刑をめぐる議論が深まる兆しも見えたのですが、九三年に執行が再開され、さらに、オウム真理教の一連の事件が起きて死刑廃止の機運は吹き飛んでしまいました。
内閣府世論調査で「死刑やむなし」は、九四年の74%からオウム事件後の九九年には79%に。直近の二〇一四年調査では80%でした。さて、今後はどう動くのか。
国会に今月、死刑制度の是非を議論する超党派議員連盟「日本の死刑制度の今後を考える議員の会」が誕生しました。休眠状態だった旧死刑廃止議連の再出発で、約五十人が参加するそうです。

◆政治的勇気が動かす
かつてのフランスと事情は同じでしょう。世論調査の数字を見れば、決して選挙向きの課題ではありません。それでも、良心に基づいて死刑廃止を考えようというのであれば、その志を大いにたたえたいと思います。果たして死刑は何を守るのか。議論が深まることを期待します。
「事態を動かしたものは政治的勇気だった」。バダンテール氏の言葉です。

(余録)歌は世につれというが… - 毎日新聞(2018年12月24日)

https://mainichi.jp/articles/20181224/ddm/001/070/154000c
http://archive.today/2018.12.24-023223/https://mainichi.jp/articles/20181224/ddm/001/070/154000c

歌は世につれというがクリスマスの定番も例外ではないらしい。米国で「ベイビー、イッツ・コールド・アウトサイド」が反セクハラ運動#MeTooを受け、ラジオで流すべきか論議を呼んでいるという。
「もう帰らなきゃ」と言う女性に、「外は寒いよ」と引き留める男性の掛け合いで歌われるのが一般的。じゃれあいか、セクハラか。ともあれ、作られた74年前とは価値観が変わったことは間違いない。
大きく価値観が揺らいだといえば、敗戦後の日本。1945年から朝鮮戦争が始まった50年まで5年間のクリスマスを軸に、戦後民主主義とは何だったのかを問うのが斎藤憐(れん)の戯曲「グレイクリスマス」だ。今月、劇団民芸が約20年ぶりに上演した。
タイトルは雪のないクリスマスを指す。こんなセリフがある。<雪は、ゴミ溜(た)めも焼け跡も、汚いものをみんな隠してくれます><雪、降らないかしら。明日になればとけてしまって、いろんな汚いものが見えてもかまわない>
憧れのホワイトクリスマスならぬ灰色の世界は、うやむやのまま幕引きされた官僚のセクハラ疑惑や課題を積み残したままの外国人労働者受け入れ拡大、改憲の動きなど、どんよりとした今の日本の空気を思わせる。
芝居は雪の降る中、主人公が憲法を読むシーンで幕となる。<この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない>。世につれ、変わるものがある。そして、変えてはいけないものもある。

沖縄県民投票 等しく参加の機会を - 朝日新聞(2018年12月24日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13825274.html
http://archive.today/2018.12.24-023350/https://www.asahi.com/articles/DA3S13825274.html

来年2月に行われる沖縄県民投票の行く手に暗雲が垂れ込めている。県内41市町村のうち、これまでに8市町の議会が投開票事務の経費を計上した予算案を否決または削除したのだ。
最終的には各首長の判断にゆだねられるが、このままでは住んでいる場所によって、投票権を行使できる人とできない人とが生まれることになる。
それはおかしい。参加の道は等しく開かれるべきだ。
投票は、米軍基地建設のために辺野古の海を埋め立てることについての賛否を問うものだ。沖縄の明確な意思を示そうと市民団体が9万人を超す署名を集めて請求し、10月の県議会で関連条例が制定された。
県政では野党の立場の自民と公明は、賛成、反対に加えて、「やむを得ない」「どちらとも言えない」の選択肢も設けるよう主張した。だが、市民団体が請求した趣旨を尊重する与党と調整がつかなかった。対立は尾を引き、いまも「賛否だけでは多様な意見をすくい上げられない」などの声があがる。
だからといって投票自体を否定する動きには賛成できない。
選挙によって選ばれた首長と議会が自治の車の両輪だ。そしてそれを補い、地方政治の重要事項に住民の意思を直接反映させるために、県民投票などの仕組みが用意されている。この基本を忘れてはならない。辺野古問題が、過重な基地負担に苦しんできた沖縄が直面する極めて重要なテーマであることは、改めて言うまでもない。
予算案を認めなかった8市町は、普天間飛行場のある宜野湾市をはじめ、保守系の首長や議員が多い。県民投票を支持・推進してきた玉城デニー知事に対抗し、投票の正統性に疑義を突きつけようという政治的思惑も背景に透けて見える。
しかし8市町からも、あわせて約3万の人々が直接請求に名を連ねている。地域の責任ある政治家ならば、この重みを受け止めるべきだ。そのうえで、埋め立てに対する自身の考えを理由とともにしっかり説明して、大いに議論すればよい。
県も、自治体側の理解が得られるように、投票の意義を重ねて丁寧に説く必要がある。
それにしても、なぜこのような形で沖縄県民同士が角突きあわせなければならないのか。9月の県知事選をはじめ、繰り返し示されてきた「辺野古ノー」の民意を踏みにじり、基地建設を強行する政権が、この分断・対立をもたらしている元凶であるのは明らかだ。
その罪は、いよいよ深い。

大統領宛請願署名 米政府は工事中止指示を - 琉球新報(2018年12月24日)

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-853143.html
https://megalodon.jp/2018-1224-1134-16/https://ryukyushimpo.jp:443/editorial/entry-853143.html

米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設の工事を県民投票まで止めるよう求めるホワイトハウスの請願サイトの署名が目標の10万筆を突破した。署名が始まった8日からわずか11日間で目標に達した。それだけ辺野古新基地建設に反対している人々が世界に数多く存在していることの証だ。
署名はトランプ大統領宛の請願を募るインターネット署名だ。ホワイトハウスの請願サイト「We the People」で募っている。開始から30日以内に10万筆が集まれば、ホワイトハウスから請願に対する返答が60日以内に届く。市民の働き掛けが米政府中枢に直接届く極めて有効な仕組みだ。
請願は「県民投票まで辺野古、大浦湾の埋め立てを止めてほしい」と題し、日本政府と米軍が沖縄の民意を無視していると指摘している。その上でトランプ大統領に「工事を中止させて米国が真の偉大な国であると示してほしい」と訴えている。至極まっとうな主張だ。
発起人はハワイ在住県系4世で32歳のロバート梶原さんだ。辺野古の抗議活動にも何度も参加しており「自分なら沖縄と米国の間に橋を架けることができると思った」と動機を語る。沖縄の血を引く1人の若者の呼び掛けが世界中の人々に瞬く間に伝わった。
署名は23日午後5時までの16日間で、15万9千筆を超えている。1月7日の期限までに20万筆を超えるのは確実な情勢だ。辺野古の美しい海を失いたくないとの思いが急速に広がっている。
多くの著名人も署名している。米ロック界の重鎮ヴァン・ダイク・パークスさん、モデルのローラさん、県出身タレントのりゅうちぇるさんらが名を連ねている。歌手のうじきつよしさんは「かけがえなき沖縄の自然と人々を踏みにじる蛮行を、みんなでストップだ」と記し、署名を呼び掛けた。
琉球新報社が実施した過去5年間の県内世論調査では、辺野古移設に反対と答えた人は7割〜8割に上っている。最も高かった2012年5月の調査は89%だった。
共同通信社が今月中旬に実施した全国電世論調査でも、辺野古移設を進める政府の姿勢を「支持しない」と回答したのは56・5%に上った。辺野古移設強行が沖縄だけでなく、日本の民意にも背いていることは明らかだ。
それにもかかわらず、政府は14日に埋め立て予定区域への土砂投入を開始した。海中に次々と土砂が投入され、区域内の青い海が褐色に濁った。うじきさんが言うように、これを「蛮行」と呼ばずしてなんと呼ぼう。
署名のうねりは日を追って増幅している。トランプ大統領は膨大な数に上る人々の思いを真剣に受け止めるべきだ。辺野古移設の工事中止を一刻も早く日本政府に指示してほしい。

「戦略的必要性ない」 在沖海兵隊に元米軍高官言及 90年代分析 日本の経費負担好都合 - 琉球新報(2018年12月23日9

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-852864.html
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【ワシントン=座波幸代本紙特派員】ブッシュ(子)政権で、パウエル米国務長官の首席補佐官を務めたローレンス・ウィルカーソン元陸軍大佐は19日までに本紙のインタビューに応じた。同氏は1990年代初頭に米海兵隊大学校(バージニア州)の責任者を務めていた際に、冷戦終結に伴う米国内外の米軍基地再編・閉鎖に関する調査研究などを分析した。その結果、日本政府が多額の駐留経費を負担する在沖海兵隊カリフォルニア州での経費より米側の負担は50〜60%安く済むと指摘。「沖縄の海兵隊駐留に正当な戦略上の必要性はないことが示された。(駐留は)全てお金と海兵隊の兵力維持のためだった」と明らかにした。
米軍の元高官が、沖縄の海兵隊駐留に戦略的な必要性はないと発言するのは異例。
ウィルカーソン氏は、米国の識者や元高官らでつくる海外基地再編・閉鎖連合の主要メンバー。同連合はトランプ大統領マティス国防長官ら宛てに、米国外の米軍基地の閉鎖を求める文書を公表している。
当時の分析では、沖縄の海兵隊駐留は日本政府が多額の米軍駐留経費を支払っているため「カリフォルニア州での費用より、米側の負担は50〜60%安く済んでいた」と指摘した。米側の財政上、好都合であり、米本土に海兵隊を戻すことは非経済的と判断していたという。同州内の基地閉鎖もあったため、沖縄の海兵隊員を米本土に戻しても駐留させる場所がなく「兵力削減につながることを海兵隊幹部が恐れた」と明かした。
気候変動や自然災害の影響が米軍施設に及ぼす損失への懸念が高まっており、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について、多額な費用を投じて海上に滑走路を造ることは「ばかげている」と強調した。
日本政府が主張する在沖海兵隊の「抑止力」について「もろ刃の剣だ。抑止力の一方で、米軍の駐留は中国の軍事費を拡大させ、より強力な敵にさせる」と、軍事的緊張を高める要因になると指摘した。
仮に朝鮮半島で有事が起きた際でも在沖海兵隊の派遣は「戦闘が終わってからしか現地に到着しないだろう。60万人の韓国軍にとって微少な追加でしかなく、戦略的理由はない」と述べた。
日米同盟と日本の防衛については「米軍のプレゼンス(存在感)を示すという約束、広報的な意味合いだ。沖縄に駐留する戦略的な目的があると言いたいなら、横須賀や三沢など日本本土の他の場所の戦略目的と同じだ。米国の太平洋地域での国防戦略で本当に重要なのはハワイだけだ」と説明した。

(私説・論説室から)空母化が政治主導とは! - 東京新聞(2018年12月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2018122402000150.html
https://megalodon.jp/2018-1224-0947-16/www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2018122402000150.html

やっと得心がいった。次期の防衛計画大綱で「空母」保有が決まった経緯である。
海上自衛隊は予算不足により、退役する護衛艦の寿命を延ばして隻数をやりくりしている。新造する護衛艦は、小型で護衛艦とは呼べないような安っぽい艦艇だ。
来年度防衛費の概算要求では、一機の航空機も計上できなかった。そこへ護衛艦「いずも」型の空母化だ。なぜ、このタイミングで巨費を投入しようとするのか不思議だった。
自民党国防族議員に会った。彼は「空母化は政治主導だ」と断言。自民党国防部会は今年五月、「多用途運用母艦」という名前の空母の保有を盛り込み、大綱提言をまとめた。ただし、自民党提言は、これまでの大綱なら防衛省が原案を策定する段階で無視され、まず反映されることはなかった。
ところが、今回の大綱は防衛省ではなく、安倍晋三内閣で新設された国家安全保障会議が策定した。前出の議員は「自民党提言がほとんど反映された」と素直に驚いていた。
政府は「憲法上、攻撃型空母の保有は許されない」と説明してきた。海上自衛隊が「攻撃型空母」に改造できる艦艇をつくり、備えてきたのは事実だが、空母化は自民党提言、与党合意、閣議決定というシビリアン・コントロールによって実現へと近づいている。
「背広を着た関東軍」ほどおそろしいものはない。 (半田滋)