石巻3人殺傷 元少年側「1審死刑、破棄を」…上告審弁論 - 毎日新聞(2016年4月25日)

http://mainichi.jp/articles/20160425/k00/00e/040/199000c
http://megalodon.jp/2016-0425-1445-30/mainichi.jp/articles/20160425/k00/00e/040/199000c

宮城県石巻市で2010年に3人を殺傷したなどとして、殺人罪などに問われ1、2審で死刑とされた無職の元少年(24)の上告審弁論が25日、最高裁第1小法廷(大谷直人裁判長)であった。1審の裁判員裁判で初めて少年に死刑を言い渡した事件で、弁護側は「未成熟な人間性を背景にした衝動的犯行。精神状態の審理が足りない」として死刑判決の破棄を主張し、検察側は上告棄却を求めて結審した。判決期日は後日指定される。
1、2審判決によると元少年は10年2月、元交際相手の女性を連れ戻そうと石巻市の女性宅に押し入り、女性の姉(当時20歳)と友人女性(同18歳)を牛刀で刺殺。姉の友人男性にも重傷を負わせた。
元少年は当時18歳7カ月だったが裁判員裁判の1審判決は「年齢は死刑を回避する決定的な事情とは言えず、総合考慮する一事情」と判断。「他人の痛みや苦しみに対する共感が欠け、ゆがんだ人間性は顕著だ」として死刑を言い渡した。2審も1審を支持していた。【島田信幸】

「永山基準」など丹念に比較 石巻3人殺傷元少年への控訴審判決-MSN産経ニュース(2014年2月1日)


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140201/trl14020100100000-n1.htm
http://megalodon.jp/2014-0201-1110-40/sankei.jp.msn.com/affairs/news/140201/trl14020100100000-n1.htm

宮城県石巻市での3人殺傷事件で元少年側の主張を退けた仙台高裁判決は、死刑選択の目安とされる「永山基準」などに沿って先例と量刑を丹念に比較、「極刑で臨むほかない」とした裁判員裁判の判断を支持した。

控訴審では、共犯の元少年が犯行の計画性を否定。弁護側は「偶発的衝動的犯行」と主張し、計画性への評価が焦点となった。

しかし、高裁判決は、控訴審での共犯者の証言を「額面通りに受け取ることはできない」とし、被告自身の説明も信用性が乏しいと判断。共犯者に凶器を素手で触らせて指紋を付け、返り血に備えて共犯者の衣類を身につけていたことなどから、「相応の計画性があった」と判断した。

その上で、高裁判決が丹念に検討したのは、先例とのバランスだ。死刑選択をめぐっては、最高裁司法研修所が平成24年、過去の量刑判断を尊重するよう求める研究報告を示した。背景には、刑期の長短が問題となる懲役刑と、執行すれば取り返しがつかない死刑は「質的に異なる刑」との意識があるためだ。

高裁判決も「2名死亡の殺人事案では死刑と無期懲役刑が拮抗(きっこう)している」という先例に言及。昭和58年に最高裁が示した永山基準や、今回と同様、少年が2人を殺害し、死刑が確定した山口県光市の母子殺害事件とも対比した。

その上で、犯行時の年齢などを考慮しても、「刑事責任はあまりに重大で、死刑選択を回避する余地があると評価することはできない」と結論づけた。

<石巻3人殺傷>仙台高裁1審死刑支持 元少年の控訴棄却(毎日新聞社)-エキサイトニュース(2014年2月1日)

http://www.excite.co.jp/News/society_g/20140131/Mainichi_20140201k0000m040033000c.html
http://megalodon.jp/2014-0201-1107-18/www.excite.co.jp/News/society_g/20140131/Mainichi_20140201k0000m040033000c.html

元少年 二審も死刑 石巻3人殺傷-東京新聞(2014年2月1日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014020102000121.html
http://megalodon.jp/2014-0201-1105-39/www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014020102000121.html

弁護側は「殺害は衝動的で犯行時は意識障害があった。更生の可能性もある」と死刑回避を主張したが、判決は「共犯の少年を身代わり役にするなど計画性があった」と指摘した。

控訴審で犯行の計画性を否定した共犯の元少年(21)=殺人ほう助罪などで不定期刑確定=の証言については「殺害するつもりだったとの一審証言は十分信用に値する。証言に一貫性がない」とし、弁護側の「検察官による誘導があった」との主張も退けた。

石巻3人殺傷 元少年、二審も死刑判決 裁判員判断を支持-河北新報(2014年2月1日)

http://www.kahoku.co.jp/news/2014/02/20140201t13026.htm
http://megalodon.jp/2014-0201-1057-17/www.kahoku.co.jp/news/2014/02/20140201t13026.htm

<結論ありき/被告の弁護を担当した花島伸行弁護士の話>
非常に残念な結果。結論ありきで、死刑は回避しないのだと感じた。一審の資料に偏った事実認定をしている印象を受けた。一審の事実認定がなぜ信用できるかという説得的な理由が示されていない点が最も不服だ。

<妥当な判決/加藤朋寛仙台高検次席検事の話>
一審判決を是認した、妥当な判決と考える。

石巻3人殺傷で元少年二審も死刑 裁判員の判断支持、仙台高裁-河北新報(2014年2月1日)

http://www.kahoku.co.jp/news/2014/01/2014013101002055.htm
http://megalodon.jp/2014-0201-1052-12/www.kahoku.co.jp/news/2014/01/2014013101002055.htm

少年事件で強まっていた厳罰化の流れに則した判断となった。飯渕進裁判長は量刑の理由を朗読した後、主文を言い渡した。

判決理由で、裁判長は被告が女性2人を刺した際には強固な殺意があったと認定した。

弁護側は「殺害は衝動的。更生の可能性もある」と死刑回避を主張。検察側は計画的犯行として控訴棄却を求めた。

「控訴棄却」に元少年動かず 石巻3人殺傷、二審も死刑-河北新報(2014年2月1日)

http://www.kahoku.co.jp/news/2014/02/20140201t13021.htm
http://megalodon.jp/2014-0201-1053-46/www.kahoku.co.jp/news/2014/02/20140201t13021.htm

主文が告げられた瞬間、被告は裁判長に視線を向けたまま、微動だにしなかった。石巻市の3人殺傷事件で殺人罪などに問われた元少年の被告(22)=事件当時(18)=に仙台高裁は31日、少年事件の裁判員裁判で全国初の死刑となった一審仙台地裁判決を支持、被告の控訴棄却を言い渡した。傍聴席の遺族らは険しい表情で被告を見詰め、弁護側は判決後「死刑という結論ありきの判決だ」と批判した。

証人テストに名を借りた偽証教唆? 石巻少年殺傷事件-弁護士 猪野 亨のブログ(2014年1月6日)

http://inotoru.blog.fc2.com/blog-entry-939.html

朝日新聞に大きく報じられたのが「検察、裁判証言を指示か 宮城3人殺傷、密室で「予行練習」」(2013年1月5日)であり、検察官が偽証をそそのかしたのではないかという疑惑です。

朝日新聞は、この問題を背景に裁判員裁判があるのではないか、法廷での証人の証言が重要視されるようになったことを上げています。
従来であれば検察官が作成した供述調書の内容と異なる内容の証言がなされた場合には調書を証拠として請求する方法が認められています(裁判所が採用するかどうかは別問題ですが、従来は安易に採用されていました)。
そのような手続きをとらずに証言内容を押し付けるのは偽証教唆と言われても当然のことです。

しかも、この石巻少年事件は非常に多くの問題がありました。
少年事件でありながら裁判員裁判が行われ、審理は杜撰。少年の社会記録すら取り調べられていません。
少年事件を裁判員裁判の対象とすべきなのか」

さらに問題なのは、そもそも証人の記憶と異なる調書が何故、作成されているのかという点です。
この事件の場合には、被告人の殺人に対する計画性の有無でした。調書作成段階では、「計画性があった」が記憶違いで後から正しい記憶がよみがえって「やっぱり計画性はなかった」ということになるのかは非常に疑問です。


<証人テスト> 刑事訴訟規則に基づき証人尋問前の証人に事件の事実関係を確かめる手続き。取り調べ段階の供述調書を証拠採用することに弁護側が同意しなかった場合、検察側の証人を公判担当の検事が検察庁に呼んで実施する場合が多い。記憶が薄れたり緊張したりして公判進行が滞ることを防ぐことが本来の目的。取り調べと違って可視化の対象外。裁判員裁判の導入で、裁判所からの実施要請は強まっている。

石巻3人殺傷、2審も死刑判決を支持-読売新聞(2014年1月31日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140131-00000971-yom-soci
http://megalodon.jp/2014-0131-1922-50/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140131-00000971-yom-soci

<石巻3人殺傷>仙台高裁1審死刑支持 元少年の控訴棄却-毎日新聞(2014年1月31日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140131-00000067-mai-soci
http://megalodon.jp/2014-0131-1921-26/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140131-00000067-mai-soci

控訴審では、共犯とされた男性(21)=殺人ほう助罪で不定期刑が確定=が「計画的犯行」との1審での証言を覆し、「証人出廷する前の打ち合わせで、検察官から虚偽の証言を強要された」と主張。これについて、飯渕裁判長は「1審時の証言は十分に信用に値する。計画的犯行だった」と判断した。

元少年に二審も死刑判決 宮城・石巻の3人殺傷事件-朝日新聞デジタル(2014年1月31日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140131-00000037-asahi-soci
http://megalodon.jp/2014-0131-1918-57/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140131-00000037-asahi-soci

飯渕(いいぶち)進裁判長は一審・仙台地裁裁判員裁判の死刑判決を支持し、元少年の控訴を棄却した。
....

裁判員裁判で審理された少年事件では初の死刑判決で、その後も例はない。

....

最大の争点は計画性の有無。一審で「押し入る前から元少年には殺意があった」と証言した共犯の受刑者は、控訴審でそれを「偽証」と翻した。証人尋問前に事件の事実関係を確かめる証人テストで検事から、計画的ではなかったと話そうとする考えを「だめだと言われた」と説明。弁護側は「計画性はなく、一審判決の事実誤認は明らか」と指摘していた。

元少年は弁護人に「死刑を受け入れる」と語り、控訴取り下げを考えたとされるが、13年6月の被告人質問では「死刑では責任を果たせない。つらくても事件に向き合って生きていくことが償うことだと思う」と供述。弁護側は立ち直りの可能性も主張していた。

元少年、二審も死刑=石巻3人殺傷事件―仙台高裁-時事通信(2014年1月31日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140131-00000130-jij-soci
http://megalodon.jp/2014-0131-1915-55/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140131-00000130-jij-soci

3人殺傷事件 元少年に2審も死刑判決-NHKニュース(2014年1月31日)

http://nhk.jp/N4Bh6GKh
http://megalodon.jp/2014-0131-1940-00/nhk.jp/N4Bh6GKh

元少年側は上告

元少年弁護団の花島伸行弁護士は判決後に記者会見し、「被告に犯行当時の記憶がなく、計画性のない衝動的な犯行だと主張してきたが、裁判所は、この主張を『反省せずにうそを言っている』と、とっていて誤った判断だ」と述べ、上告したことを明らかにしました。