「永山基準」など丹念に比較 石巻3人殺傷元少年への控訴審判決-MSN産経ニュース(2014年2月1日)


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140201/trl14020100100000-n1.htm
http://megalodon.jp/2014-0201-1110-40/sankei.jp.msn.com/affairs/news/140201/trl14020100100000-n1.htm

宮城県石巻市での3人殺傷事件で元少年側の主張を退けた仙台高裁判決は、死刑選択の目安とされる「永山基準」などに沿って先例と量刑を丹念に比較、「極刑で臨むほかない」とした裁判員裁判の判断を支持した。

控訴審では、共犯の元少年が犯行の計画性を否定。弁護側は「偶発的衝動的犯行」と主張し、計画性への評価が焦点となった。

しかし、高裁判決は、控訴審での共犯者の証言を「額面通りに受け取ることはできない」とし、被告自身の説明も信用性が乏しいと判断。共犯者に凶器を素手で触らせて指紋を付け、返り血に備えて共犯者の衣類を身につけていたことなどから、「相応の計画性があった」と判断した。

その上で、高裁判決が丹念に検討したのは、先例とのバランスだ。死刑選択をめぐっては、最高裁司法研修所が平成24年、過去の量刑判断を尊重するよう求める研究報告を示した。背景には、刑期の長短が問題となる懲役刑と、執行すれば取り返しがつかない死刑は「質的に異なる刑」との意識があるためだ。

高裁判決も「2名死亡の殺人事案では死刑と無期懲役刑が拮抗(きっこう)している」という先例に言及。昭和58年に最高裁が示した永山基準や、今回と同様、少年が2人を殺害し、死刑が確定した山口県光市の母子殺害事件とも対比した。

その上で、犯行時の年齢などを考慮しても、「刑事責任はあまりに重大で、死刑選択を回避する余地があると評価することはできない」と結論づけた。