【政界地獄耳】立憲民主批判は秋の国会へ向けた国民民主・玉木雄一郎の高等戦術 - 日刊スポーツ(2024年7月10日)

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都知事選挙を終え、秋の国会と政局に向け、まずは野党が動きだした。8日、国民民主党代表・玉木雄一郎はXを更新し、7日に投開票された都知事選を受け「相手の批判だけでは選挙に勝てないことが分かったのではありませんか」と立憲民主党の選挙戦術を批判。同様の感想は立憲民主党代表代行・辻元清美が「政党としても私個人としても、やっぱりもう古くなったのかな、もう通用せえへんのかなとか、ちょっと思った」と漏らしている。
★また元立憲民主党議員で、弁護士の菅野志桜里もXで「『何が原因か分からない』と幹部たちが立憲民主党時代感覚を圧倒的にズレさせている。一度はここに籍を置いた者として、見ているのがつらい選挙だった」とし、「民主党政権の失敗を象徴する議員が次々にマイクを握り、民間企業が公共の観点もふまえ積み上げた再開発計画を都民投票にかける筋悪な提起が唐突に行われ、共産党の存在をベースにした独特のフェス感が一般市民への浸透を明らかに妨げていた」と厳しい分析を突きつけている。それぞれの指摘がすべて正しいとは言わないものの、立憲民主党としての形を変えなければ持たないという指摘は傾聴に値する。
★前出の玉木は9日の会見で「野党第1党が共産との関係を重視する路線は終焉(しゅうえん)を迎えた」とし「次期衆院選での政権交代の機運にも水を差した」と畳みかけた。だがこれは秋の国会へ向けた玉木の高等戦術。野党関係者が言う。「実はこの蓮舫3位に撃沈という結果が立憲と国民の最接近を後押ししている。この際共産との腐れ縁を断ち切り、一緒に戦って欲しいというのは連合の都合だが、党勢拡大に伸び悩む両党は反自民、非共産で共闘しないと衆院選参院選を戦えず、先がないという問題では一致している。既に自動車、情報、電機などの産別議員が政策のすり合わせを始めていて、目指すは秋の国会での両党の統一会派だ。無論、玉木が立憲の代表選挙にどう介入するかも視野に入るはずだ」。(K)※敬称略