【政界地獄耳】選挙をゆがめる、国民の税金で活動しながら政党隠した代理戦争 - 日刊スポーツ(2024年6月21日)

https://www.nikkansports.com/m/general/column/jigokumimi/news/202406210000119_m.html?mode=all

★19日、告示前に東京都知事選に出馬する主要候補4人が共同記者会見に出席。そこで前広島県安芸高田市市長・石丸伸二が「自民党に限らず既存の政党政治に対する全般の評価です。自分第一、党利党略、政治のための政治、そんなことを続けていたから、国民が興味を失ったんだと思います」「その意味で、この都知事選で『国政の代理戦争』などとバカげたマネはぜひやめてもらいたいなと思います。都民にとって自治体において迷惑千万な話」と語った。
小池百合子蓮舫にとっての一番の弱点は、この知事選の特徴でもある候補者の政党の支援隠しだ。公明党、裏金事件で前面に出られない自民党、都議補選8選挙区のうち、自民党と3選挙区でぶつかるにもかかわらず確認団体を組む都民ファーストは小池を推すが、都民には極めてわかりにくい。日本維新の会も「静観」としているが実態は小池支援だ。蓮舫立憲民主党共産党社民党野党統一候補として出馬したものの、共産党が前に出すぎるとか、支援もしないくせに連合や国民民主党は「共産党が支援しているなら応援できない」とわざわざ説明の会見を開くなど口撃ばかりだ。
★石丸の言うようにまさに政党隠し、国政の代理戦争そのものだ。いつからか市長選、知事選など首長選挙は長年自民党籍や立憲籍があっても出馬の際は離党して、市民党や県民党と称して政党色を隠す傾向がある。その方が幅広い支援を受けられるからという説明だが、それは各既成政党それぞれが、一人前の政党とは言えず、国政の振る舞いなどで癖が強すぎて有権者に嫌悪を抱かれているに他ならない。出来の悪い政党であっても政党は政党交付金を毎年国民の税金から徴収して分配する。今年の交付金総額は315億3652万円。自民党には160億5328万円で、総額に占める割合は50・9%。立憲は68億3544万円。国民の税金で活動させてもらっていながら、政党を隠して代理戦争をするなど、選挙をゆがめているといわれても仕方あるまい。(K)※敬称略