【政界地獄耳】国民の怒り、支持者の離反 いまだ理解出来ぬ自民党 - 日刊スポーツ(2024年6月11日)

https://www.nikkansports.com/m/general/column/jigokumimi/news/202406110000038_m.html?mode=all
★8日、自民党副総裁・麻生太郎自民党福岡県連で政治とカネについて「政治資金の透明性を図ることは当然ですが、同時に我々は将来に禍根を残すことになるような改革というものは断固避けねばならない」「政治の停滞は許されない。今こそ政治が安定した上に必要なことをやっていくためには、国民の信頼が一番大切になる」「自民に逆風が吹いている」と危機感を募らせ、党再生を急務とした。
★9日、沖縄県議選の応援に入った公明党代表山口那津男那覇市内で街頭演説し「自民が具体策を出さずにぐずぐずしているから、あっちの補選、こっちの知事選で負け続け『今のところほとんど負け』と国民の政治不信の強さを表している」と、自民が自らの不祥事にもかかわらず、政治資金規正法改正への対応遅れが、4月の衆院3補欠選挙静岡県知事選などでの自民推薦候補の敗北につながったとの認識を示し、いつになく自民党の体たらくを批判した。その通りで9日、投開票が行われた栃木県鹿沼市長選は任期満了で新人同士の戦いになったが、立憲民主党県連幹事長を務めた元県議松井正一が、自民・公明推薦の元県議会議長小林幹夫を破り、初当選を果たした。
★党内では反主流派と目される前首相・菅義偉らが党総裁選を前に首相・岸田文雄からその座をすげかえようとしているとの報道が続く。確かに自民党が改革にぐずぐずしていたのは事実だが、ポスト岸田なる人物は改革の断行を行えるのか。だが、党内議論が活発化した痕跡はない。岸田に対抗するならば、政治とカネにメスを入れる人物でなければならないのではないか。メディアは“次はだれか”報道一色になる。麻生の言う、将来に禍根を残す改革とは何か。幹部たちのけん制発言もわかりにくい。国民の怒りや支持者の離反をいまだ理解できない自民党は危機感を持っているか。(K)※敬称略