【政界地獄耳】まとまらないと野党は戦えない 立憲は実践と信頼が必要、維新の他党批判に違和感 - 日刊スポーツ(2024年5月7日)

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★後半国会では政治資金規正法改正案で与野党が激しく論戦を戦わせる。だが、4日、5日に行ったJNN世論調査では自民党の改正案を「評価しない」と答えた人が72%に上った。では野党に期待は持てるのか。野党第1党の立憲民主党は補選に勝って浮かれムードだが、自民党の敵失との評価も国民にはある。自民党がダメだから頼りないが立憲にという消去法的な支持では脆弱(ぜいじゃく)だ。同党の前代表・枝野幸男は前月30日、自身のYouTube番組で次期衆院選では定数の過半数(233議席)の独自候補擁立を目指すべきと発言したが、党内には党代表・泉健太降ろしを画策し、復権をもくろむ節があるという。
★今の立憲に独自候補を過半数まで増やせるメドはなく野党共闘は必至だ。党は政治パーティー禁止など厳しい法改正を訴えるが、党幹部をはじめ、若手まで6月までパーティー開催ラッシュなのはどういうわけなのか。法改正ができないことを見越しているのか改正される前に全面禁止にすべきではないのか。つまり、パーティー禁止などするつもりはないのだろう。やるべきは政治資金のデータ化を先んじてネットで公開するなど率先して国民に改革を見せることといった政権政党としての信頼を勝ち取ることではないのか。国会内での崇高な理屈よりも実践と信頼が党には必要ではないのか。
日本維新の会は補選でも振るわず、また立憲批判を繰り広げたことに有権者は違和感を持ったことだろう。先月25日、党代表・馬場伸幸と共同代表・吉村洋文(大阪府知事)の写真を並べた新ポスターを発表した。馬場が言うにはキャッチコピーの「古い政治を打ち破れ。」は自民、立憲、共産の3党が対象という。政界からは「万博みたいに時代遅れのコンテンツに力を入れる人たちこそ古い政治」と早速ブーメランだ。他党批判で浮かび上がろうとするところも保守政治とは違うとみられそうだ。野党はまとまらなければ立ち向かえない。(K)※敬称略