【政界地獄耳】日米首脳会談で了解得た? 急浮上した首相・岸田文雄の訪朝計画 - 日刊スポーツ(2024年4月13日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202404130000134.html

★10日に行われた日米首脳会談で、首相・岸田文雄北朝鮮に関して多岐にわたる問題の解決に向け、北朝鮮朝鮮労働党総書記・金正恩キム・ジョンウン)との首脳会談を望んでいることを説明、バイデン大統領は北朝鮮との対話を開始する機会を歓迎するとした。その後の日米共同記者会見の中で岸田は「バイデン大統領から、拉致問題の即時解決に向けた力強い支持を改めて表明いただきました」と答えている。

★昨年の7月、韓国の有力紙「東亜日報」は日朝の実務者が6月に、中国やシンガポールなど第三国で複数回にわたって接触したと報じた。当時の官房長官松野博一は「報道は承知しているが、そのような事実はない」としていた。その間、北朝鮮はミサイル実験など繰り返しながら今年1月、能登半島地震のお見舞い電報を送るなど、表の接触も怠らない。朝鮮労働党副部長・金与正(キム・ヨジョン)が立て続けに談話を発表したり、会談を拒否する態度に出るなど目まぐるしい反応を見せている。先月25日にも金与正は「拉致問題は解決済み」との談話を出したばかりだが、岸田は国会でも「北朝鮮との間の諸懸案の解決に向けて、首脳会談を実現すべく、私直轄のハイレベルでの協議を進めていく方針は変わりはない」と動じず、秘密接触を示唆している。

★日米首脳からの言葉は少ないが、北朝鮮問題が議題に上ったどころか、双方の情報交換とともに、首相の訪朝の了解を得たのではないかとの見方がある。「日米首脳にとっては(前大統領の)トランプが出しゃばってくる前に日朝関係を前進させることは日米の利害の一致するところ。日本は拉致問題の大きな前進を図りたい考えだろう。ロシアと蜜月な北朝鮮に対して不快感を持つ中国も、今なら乗りやすい」(外交筋)。国内では6月会期末解散説が飛び交うが、訪朝という政治日程が急浮上したとみるべきだ。(K)※敬称略