【政界地獄耳】子供たちに胸を張れる政治はあるのか - 日刊スポーツ(2024年3月20日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202403200000060.html

★検察は4000万円以下なら起訴せず。それを逆手に前自民党参院幹事長・世耕弘成は14日に開かれた政倫審で「刑事的には私は不起訴、嫌疑なしだから真っ白なわけだが、いろんな人にご迷惑をかけた政治的道義的責任を取らなければいけないという思いで職を辞した」と、どや顔で説明した。別に嫌疑なしでも真っ白でもない。検察の捜査や起訴の基準に満たないだけで、嫌疑もあるし真っ白ではない。あたかも特別に配慮して政倫審に出てきてやったかのような振る舞いや物言いには閉口する。

★真っ白な人が政治的道義的責任を取る必要はない。堂々と職に居座ればいいではないか。05年の郵政民営化関連法案に反対した50人には除名、離党勧告といった厳しい処分が下ったことがあったが、念書を書かせて復党させている。首相・岸田文雄や幹事長・茂木敏充は旧安倍派、旧二階派の約80人に対して、早急な処分を科すとしているが、どうやら幹部クラスには「党員資格停止」「選挙での非公認」、不記載額が少なかった中堅・若手議員は党の役職停止や戒告程度の大甘裁定でまとめようとしているようだ。来月末にある衆院補選の直前に処分が行われるという。「ほとんどの問題議員が議会の要請も無視して政倫審に出なかったが、そのペナルティーもないのか」とは野党議員の声だが、裏金を作り脱税状態でもこの程度の処分なら、今後も金額に注意すれば「嫌疑なし」「真っ白」と胸を張れるということになる。

★15日の朝日新聞「声」の欄には12歳の小学生の「これでは政治に興味持てません」が載った。「最初から当選者が決まっているような選挙だと『投票に行く必要はない』と思ってしまう人もいます。候補者の政策やどんな人かを良く考えず『この党だから』『地元の偉い人だから』などの理由で票を入れる人が多くいるからです。これでは私が投票できるようになっても、行く気になれません。裏で悪いことができないように、正しい政治を行って欲しいです」(一部抜粋)。この声に答える政治はあるのか。(K)※敬称略