【政界地獄耳】野党の政治家にできることが、なぜ自民党はできないのか - 日刊スポーツ(2024年1月24日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202401240000090.html

★18日、自民党副総裁・麻生太郎は首相・岸田文雄に「立件された者がいないのに派閥を解散するのは理屈が立たない。派閥はやめない」と電話で伝えたという。23日も自民党の政治刷新本部は25日に行う「中間とりまとめ」に向け議論を続けた。首相は「政策集団」と言い、派閥が名前を変えるだけだということはわかってきた。それよりも、なぜ政治資金が国からの支給だけでは足りないのか、政治家が政治資金を稼がないとやっていけないのか、という議論が最初から欠如している。

★また、「政治資金の透明性」に「各党各会派との誠実な協議を経て、政治資金規正法改正など法整備を実施」とある。党として倫理を確立するだけでなく、野党からの声を求めるのだから、自民党の裁定よりも厳しいものを想定しているのだろう。野党の政治家がやりくりできることが、なぜ自民党ではできないのか。その原因が浮き彫りにされれば、何が問題なのかわかってくる。

★そうなれば当然、自民党総裁選挙の在り方が争点に浮上する。22日、自民党元幹事長・石破茂はテレビ番組で、「党を支えているのは地域だ。総裁の決め方も党員票の比重が上がっていいのではないか」と党総裁選の見直しに言及した。確かに、その裏金はどこに使われるのかを問えば、青天井に資金をつぎ込める大派閥が有利になることは歴史が物語る。立候補するにも20人の推薦人が必要となれば、派閥の数がものをいう。また、国会議員だけで議論する党政治刷新本部について「地方組織の幹事長や政調会長にとって『国会議員の感覚とは違う』ということがあると思う」と、地方の党幹部の“現場の声”を聴くべきと指摘した。結局、今までの自民党でなくなる覚悟があるのか、少しいじってほとぼりを冷ますのか。国民の監視は一層厳しくなる。(K)※敬称略