<金口木舌>言いなりにならない - 琉球新報(2023年12月2日)

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反抗期か、子どもが何かにつけて反発してくる。振り返れば、自分も親の言うことなんて聞き流していた。「言いなりはダサい」。自分の意地を貫いていた

▼それに比べて、日本政府は従順だと思える。屋久島沖で発生したオスプレイ事故。海上保安庁の第一報は「墜落」だったが、米国の主張通りに「不時着水」に言い換え、翌日には「墜落」に戻した
▼「最後の最後までパイロットは頑張っていた」。宮沢博行防衛副大臣は「不時着水」に言い換えた際にこう強弁した。そして簡単に翻した。従順というよりも非論理的で言いなり、思考停止でしかない
▼4月に発生した宮古島沖の陸自ヘリ事故で、日本政府は「不時着水」とは表現しなかった。副大臣の論理を借りれば「パイロットは頑張っていなかった」ということになる。そんなこと言えないはずだ
▼日本政府が「不時着水」と言い始めたのは2016年、名護市安部沿岸部にオスプレイが墜落した時から。米国の無理筋な主張に合わせれば、認知のひずみも生じよう。たまには反抗してはどうか。