【政界地獄耳】五輪招致での贈答品発言「馳の墓穴」に厳しい処置を - 日刊スポーツ(2023年11月25日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202311250000089.html

★既に汚職五輪として定着してしまっている東京五輪だが17日、13年に東京開催が決まった時、衆院議員で自民党東京五輪招致推進本部長だった石川県知事・馳浩が講演で招致活動の際国際オリンピック委員会IOC)の委員100人への贈答品として、1冊20万円のアルバムをプレゼントしていたと暴露。ことに首相・安倍晋三(当時)から「必ず勝ち取れ」「金はいくらでも出す。官房機密費もあるから」と告げられた、と講演で話した。

★馳は「事実誤認があった」として全面的に撤回し、知事会見でも「既に全面的に発言は撤回しております」。「なぜ後になって発言を撤回するのか」。「改めて五輪招致に関しての発言は一切いたしません」と繰り返し、切り抜けようとしている。22日の衆院予算委員会立憲民主党衆院議員・山岡達丸は「発言を撤回しても、それが事実ではないか。IOCの倫理規定違反が疑われる」と指摘。国民民主党代表・玉木雄一郎は21日、一連の馳の発言について「軽くみるべきものではない。国会でも証言をいただかないといけないかもしれません」とした。23日、立憲民主党小沢一郎もX(旧ツイッター)で「悪いことをしても黙っていれば、そのうちみんな忘れてばれない。そういうこと。この知事は元文科大臣であり、それ以前に元高校教諭である。恥ずかしくないのか。子供たちへの悪影響は計り知れない。全てを話すべきではないか」と訴えた。

★馳は政治的基礎能力が欠けている議員の典型だ。機密費は機密のままでいればそれまでだが、ここまで解説した後にだんまりを決め込んでも、それで済むものではない。機密費は不透明さが付きまとうが、IOCを巻き込んだ国際疑獄の暴露でしかない。馳には自民党も厳しい処置をすべきだ。それがないと、万博や冬季五輪などの国際大会招致には機密費の賄賂が動くと世界中で言われ続ける。うやむやにしてはならない。(K)※敬称略