【政界地獄耳】議長辞任の細田博之が衆院選に立候補示唆 辞任と出馬のつじつまが合わない訳 - 日刊スポーツ(2023年10月4日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202310040000155.html

★1日の山陰中央新報社オンラインニュースによれば、衆院議長・細田博之が体調不良を理由に衆院議長を任期途中で辞任する意向を示したものの、都内で同紙の取材に応じ「(健康に)大きな支障はない。政治家としては元気そのもの。全然変わっていない。立候補する前提で考えている」と次期衆院選に立候補する考えを示したという。同紙は先月29日の衆院議長辞任の一報にもいち早く対応している。

★30日には「細田氏は議長辞職後も議員活動を続ける意向だといい、自民党島根県連の絲原徳康幹事長は『現時点では島根のために頑張るという意思だと聞いている』と説明。細田重雄会長は『次の選挙を戦うための準備は着々と進めている。本人はやる気でいる』と強調」と報じている。ちなみにこの細田は博之の父、細田吉蔵の秘書を長く務め、県議を14期も務めた自民党島根県連会長のことだが、細田選挙対策責任者も長年務め、世界平和統一家庭連合の関連団体「島根県平和大使協議会」の議長を歴任した人物として旧統一教会細田をつなぐ人物として話題となった。「元気ならば議長を辞める必要もないし、そもそも旧統一教会との関連やセクハラ疑惑についてもメディアに対して真摯(しんし)に答えるべき」とは野党のみならず、自民党からも聞こえてくる細田に関しての声だ。

★この時期、わざわざ「政治家としては元気そのもの」と発信するのは議長を辞めたくなかったが、党や官邸から辞任を迫られたからではないか。それでいて適任者がいなくて後継人事に苦労している彼らに対して三権の長としてのプライドを見せ、衆院議長職を軽んじてはいけないと一撃を食らわせたのではないか。ただ旧統一教会との関係やセクハラが取りざたされる議長でも困るという声に押し切られたという心情がこの発言の行間ににじみ出ているのではないか。辞任と出馬のつじつまが合わない訳はそんなところにあるかも知れない。(K)※敬称略