【政界地獄耳】女性閣僚5人登用の裏で…副大臣・政務官0の現実 - 日刊スポーツ(2023年9月21日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202309210000096.html

★閣僚に女性大臣5人を登用したことをメディアは大きく扱ったが、このニュースは何がニュースか。適材適所かどうかは知らないが、いささか早期の抜てきも含め女性を並べたことがニュースになるのならば、メディアの女性の登用ヘの理解はかなり乏しいのではないか。女性閣僚の数を増やしたことがニュースなのではなく「作られた能力差」(国民民主党代表・玉木雄一郎の発言)の中での登用に意味があるというのならば、そう説明すべきだろう。

★「末は博士か大臣か」の言葉通り閣僚への抜てきは政治家としての集大成と国民は見るが、過去の多くの閣僚がそうだったように、入閣することで人脈を広げ経験や作法、政治的判断や政治の妥協を身に付ける。会見でメディアの厳しい質問に真摯(しんし)に答え、ある時はかわし、委員会で野党の声や知恵に耳を傾けることで答弁を磨く。最近はそんな閣僚見たことないが。無論官僚の答弁を朗読するだけで学ばない政治家もいる。新しいことをぶち上げたいと意気込むものの官僚にたしなめられる政治家もいる。そうして力をつけていく政治家は今まで男性政治家に与えられるものだったが、それを育ってきた女性政治家に広げようというのならば大いに研さんしてもらいたいが、選挙用の登用というさみしい評価が現実か。

★一方、メディアが大々的に報じる副大臣政務官に女性登用ゼロは由々しき問題だろう。20日付朝刊各紙の社説は「女性起用ゼロ『活躍促進』は口だけか」(朝日)。「『女性ゼロ』の感覚を疑う」(毎日)。「女性登用の本気度が問われる」(日経)。「女性不在の無責任人事」(東京)と厳しい。現実的でないかもしれないが、無理にでも民間人の登用も含め知恵は絞れなかったか。それとも自民党の人材が枯渇しているということか。(K)※敬称略