【政界地獄耳】衆院議長・細田博之の後任探しも内閣改造とは別の注目人事 - 日刊スポーツ(2023年8月12日)

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★7月21日、都内の自宅から熱中症の症状を訴える119番通報があり、病院に救急搬送された衆院議長・細田博之。その後、公の場所に姿を現さない。79歳という高齢で、国会閉会後の公務は少ないとはいえ衆院は4日、広島市で6日に行われた原爆死没者慰霊式・平和祈念式への細田の欠席と衆院副議長・海江田万里の代理出席を発表した。また9日の長崎市で開かれた平和祈念式典も欠席を発表、こちらも副議長の代理出席が報じられたが、折からの台風で東京の要人は欠席となった。既に退院しているが大事をとって静養していると伝えられるものの、熱中症から別の病気の併発も考えられる。広島、長崎の死没者慰霊式出席は議会以外の三権の長の重要な仕事。これで15日の「終戦の日」の式典にも欠席するようでは衆院議長の役割を果たしているといえるだろうか。

★1985年1月、時の衆院議長・福永健司は国会の開会式のリハーサルで、玉座から後ろ向きに階段を下りる「右進退左」(バックしたまま階段を下りる)の所作がうまくできず議長を辞任した。2015年4月20日衆院議長・町村信孝は同副議長・川端達夫に議長の辞職願を提出した。14日に2度目となる軽い脳梗塞との診断を受け「議長の責務を考えたとき、いささかなりとも仕事に悪影響が出ることは避けなければならない」と辞職の理由を述べた。

★前例を見れば関係者は衆院議長の後任を模索することになるだろう。勤続年数、当選回数、党や内閣のポストなどが考慮されるが、自民党では衛藤征士郎額賀福志郎、船田元あたりが候補者となる。衛藤は09年、民主党政権衆院議長・横路孝弘の元、副議長に就任している。政界関係者は「防衛庁長官、経企庁長官、財務相、党政調会長、平成研会長(額賀派)のキャリアは候補者のひとりに足りるのではないか」とみる。秋の国会はまだ先だし、細田の回復を願うばかりだが、内閣改造とは別の注目の人事となる。(K)※敬称略