【政界地獄耳】中国との絆に努力 沖縄の姿勢を強く支持する - 日刊スポーツ(2023年7月7日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202307070000046.html

日中関係中国当局による邦人男性拘束や今月1日に改正「反スパイ法」が施行されるなど、日系企業中国ビジネスに慎重になっている折、事態の打開策が欲しいところ。国会の超党派議連、日中友好議連も新会長に自民党元幹事長・二階俊博が4月に選出され、5月の連休中にも訪中団が編成される勢いだったが、中国サイドが難色を示し、ここにきて8月下旬から9月上旬訪中の動きがやっと出始めた。ただ国の政治家と自治体の役割はおのずと違うはずだ。

★5日、日本国際貿易促進協会国貿促、会長・元衆院議長・河野洋平)の訪中団の一員として北京を訪問した沖縄県知事玉城デニー国家主席習近平の側近でナンバー2の首相・李強が人民大会堂で会談に応じたことに手応えを感じたことだろう。知事は中国訪問に必要なビザ取得手続きの緩和や、中国~沖縄間の直行便の再開を要請。首相は「関係部門に指示し、困難な課題が解決できるようにしたい」と前向きに応じた。先月末、訪中を控えた知事に対して沖縄県議会本会議で複数の自民党県議が「訪中するなら領海侵入について抗議すべきだ」「何も言及しないと容認していると誤解される」と詰め寄った。県の考えは「経済文化の交流促進が主な目的」。県レベルで行う地域外交は観光や産業の育成と信頼関係。自民党県議の声は自民党本部経由で国に訴えるべきことではないのか。それこそが外交の分野だからだ。

★沖縄に米軍基地が多くあるから標的になりやすいと考える方が県民には不安材料のはずだ。その不安を払拭するには沖縄と中国の経済・文化・観光での交流と信頼関係、絆を作ることで抗議や挑発ではない。その交流こそが本来の地域の安全保障に強く寄与するのではないか。沖縄県の姿勢を強く支持する。(K)※敬称略

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