【政界地獄耳】沖縄玉城知事、オミクロン株の感染拡大は米軍由来と批判 - 日刊スポーツ(2022年1月5日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202201050000019.html

★昨年末、政府は22年度の沖縄関係予算案について2680億円程度とする方針を固めた。本年度比330億円減額となる。一括交付金財務省の当初提示額が481億円だったが沖縄担当相・西銘恒三郎との折衝の結果762億円にアップした。今月23日にある名護市、南城市長選、2月27日の石垣市長選、4月24日の沖縄市長選、そして参院選を挟んで沖縄知事選と沖縄は選挙イヤーといえる。そして今年は沖縄本土復帰50年の年だ。

★「本土復帰50年に予算の大幅減額とは驚いた。政府は一連の県内選挙を優位に進めるために『与党が勝てば予算はつく』という兵糧攻めで露骨な嫌がらせをしてきているのだろう」(沖縄政界関係者)。一方、自民党は昨年末には幹事長・茂木敏充、選対委員長・遠藤利明が相次いで沖縄入り。テコ入れと情勢分析、知事選の候補者選定と動きが速い。それでなくとも観光立県でインバウンドの代表格である沖縄県はコロナ禍で大打撃を受け、観光客が多く訪れる繁華街・国際通りはシャッターの閉まっている店舗が増えている。

★政府・自民党の仕打ちが県民にどう響くかはさておき、県知事・玉城デニーは2日に会見した。多くの米軍人や軍属が日米地位協定で旅券やビザに関する国内法の適用除外で米本国から基地に直接入国することが可能。キャンプ・ハンセンではアメリカ出国時のPCR検査が昨年9月3日以降、実施されていないことなどを念頭に「管理態勢の不十分さを示しており、怒りを覚える。県内のオミクロン株の感染拡大が米軍由来であるとの意識が欠如している」と米軍の秘密主義とそれに対して適切な抗議や米軍に対して水際対策などを取らない政府を強く批判した。政府は沖縄いじめにうつつを抜かすよりも地位協定に言及すべきだ。西銘大臣は増額で満足か。(K)※敬称略