<金口木舌>琉球・沖縄史を学ぶ - 琉球新報(2022年11月2日)

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中高校生の頃、日本史が好きだった。戦国時代の群雄割拠や明治維新へ向かう激動の時代など、教科書や歴史を描いた漫画などを読み、当時の様子を空想した

▼ただ、大学生や社会人になってから痛感したことがある。日本史全体に比べ、自分が生まれ育った沖縄の歴史について学ぶ機会の少なさだ
▼県小中学校歴史教育研究会が県内の小中学校などを対象に実施したアンケートによると、社会科で沖縄の歴史に関する授業は年間で「1~4時間」にとどまる学校が58%に上った。「0時間」も9・5%あった。近代沖縄について学んだ学校は2割にとどまった
▼本来は学習機会を確保したくても、時間の確保が難しい教員の葛藤もあるという。識者は「現場任せではなく、県や市町村でカリキュラムを組まなければ、沖縄の歴史継承は難しい」と指摘する
▼今起きている社会問題を考える上でも、足元の歴史を学ぶことは欠かせない。沖縄の将来像を展望する土台を確かなものにするためにも琉球・沖縄史を学び、継承できる仕組みを築きたい。