【政界地獄耳】投票日直前のスキャンダル、文春砲に「選挙後説明する」とは… - 日刊スポーツ(2022年7月8日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202207080000064.html

 

★候補者にも大いに問題ありだがそれを推薦した県連幹部や、真に受けて公認した党本部も同罪だ。選挙中どころか投票日直前にこんなスキャンダルが週刊誌2誌を飾るなど前代未聞だ。だが有権者には知る必要のある情報ではないか。改選議席1を争う長野選挙区で自民党公認候補の松山三四六は地元では絶大な人気があるというが「自宅を建築した際、設備業者に代金を支払わず、訴えられて負けている」と週刊新潮が報じれば、週刊文春は松山が12年に当時「20代だった女性と不倫し、女性が妊娠した際、人工妊娠中絶同意書に偽名で署名していた」と報じた。

★前者は最高裁まで争い敗訴、後者は文春の取材に対して認めている。ところが本人は「今は選挙に集中させていただきたい」と説明は選挙後にと言い出した。これも有権者をばかにした話だ。その事情や言い分を聞いたうえで投票するか否かを決めるのは有権者だ。これでは身体検査は不要になる。大臣が終わってから説明します、首相を務め終えてから説明します、果ては議員を引退したら説明しますになりかねない。

★7日昼に松山は佐久市で街頭演説し「何も言うことはありません。そのままですので、何も反論はございません。過去のことですので、いまは選挙のことをしっかりと頑張りたい」とあいさつ。「野党の人から来る話は、われわれ政府は何ひとつ聞かない。本当に生活を良くしたいと思うなら、自民党、与党の政治家を議員にしなくてはいけない」と発言して撤回しない経済再生相・山際大志郎が応援に駆け付け「松山さんを与党の候補として勝たせていただくことが政治をさらに安定させ、世界を安定させ、社会を安定させる確かな力になる」と訴えた。同日、公明党県幹部が松山の選挙事務所に説明を求めたとの話も聞こえてくるが、選挙に集中する前に説明責任が欲しい。(K)※敬称略