【政界地獄耳】選挙後の内閣改造で消える運命?山際発言 与党優勢にたがが外れた自民党 - 日刊スポーツ(2022年7月7日)

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★岸田内閣の閣僚、山際大志郎は元々獣医師から政治家という経歴。現在は麻生派所属。国務大臣経済再生担当、新しい資本主義担当、新型コロナ対策・健康危機管理担当、全世代型社会保障改革担当、内閣府特命担当相(経済財政政策)とこれだけの担務がある。3日、山際が青森県八戸市での街頭演説で「野党の人から来る話は、われわれ政府は何ひとつ聞かない。本当に生活をよくしたいと思うなら、自民党、与党の政治家を議員にしなくてはいけない」と発言。

★大きなニュースになり翌4日には官房長官松野博一が「政府は国民の声を丁寧に聞き、国民の生活をしっかり守っていくことを基本としている。与野党問わず耳を傾け、野党を無視するようなことはない」と火消しに動く。5日の閣議後の記者会見で山際は発言について「地域の意見を国政に反映させてもらいたいと強調する中で誤解を招く発言になった」と釈明。ただこれも単純に発言を歪曲(わいきょく)させすり替えただけで釈明にもなっていない。誤解など誰もしていない。「発言は撤回しないのか」と記者から再三質問されたが撤回は最後までしなかった。これでは国民が山際の言うコロナ対策の要請などは聞かないといわれても仕方があるまい。更迭が望ましいが選挙後の内閣改造で消える運命だろう。

★派閥のボスで党副総裁・麻生太郎がたしなめるのかと思いきや、4日、麻生は千葉県市川市の街頭演説でロシアによるウクライナ侵攻に触れ、「子どもの時にいじめられた子、弱い子がいじめられる。強いやつはいじめられない。国も同じ。強そうな国には仕掛けてこない」とし、「やり返される可能性が高いと思われて初めて抑止力、戦争が起きなくなる」と抑止力論を述べたが、こちらも極端な例で褒められたものではない。こちらも野党は反発している。いずれも与党優勢の報にたがが外れた結果だ。(K)※敬称略