【政界地獄耳】岸田節に体よくあしらわれる野党 このまま参院選挙に突入かよ - 日刊スポーツ(2022年5月31日)

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参院予算委員会理事会与野党の合意で、22年度補正予算案は今日31日の予算委で採決され、同日中に参院本会議でも採決が行われ可決、成立する。30日には立憲民主党前代表代行・蓮舫が新型コロナ対策の地方創生臨時交付金の運用に問題がないかなどを問うた。婚活支援や花火大会、学校のトイレ改修など目的外使用で不適切ではないか。また新国立競技場の赤字運営などに触れ「適正に補正予算を編成したのか」「規模が小さくて遅すぎる」「これ(補正予算案)でいま、国民生活を守れるとお考えか」「感覚が明らかに麻痺(まひ)しているのではないか。この制度設計を見直しませんか」と畳みかけた。

★首相・岸田文雄は「まずはしっかり実行していくことが重要である。あらゆる事態に対応できるよう、万全の態勢をとっていきたい」「予算を有効的に効率的に使う姿勢は大事だ」と述べた上で、「財政を国民の安心につながるよう思い切って出動する姿勢は、決して間違いではなかった」と述べ質問をかわした。岸田節は予算委員会でも定着。中身は何もないが何らかを答弁しているように聞こえ、野党も攻めあぐねたとともに、体よくあしらわれたといっていい。

★そこで首相の持論である財政規律派の考えと、このどんぶり勘定の答弁の整合性を突くことでやっと議論になるのだが、今の野党にそれを期待することは無理だ。物価は既に高騰、税金の値上げが参院選後に待ち構えているが労働者の味方のはずの「連合」は第2経団連と化し、27日、連合事務局長・清水秀行は自民党本部での会合で自民党政調会長高市早苗に「さまざまな課題に一緒に取り組んでいく」と言われご満悦。思い出すのが09年の民主党政権時代。野党自民党はありとあらゆる民主党の政策に難癖をつけ突き上げ、攻め続け政権を奪還した。このまま参院選挙に突入かよ。(K)※敬称略