(政界地獄耳) 野党結集の枠組み崩壊へ鼻薬かがせた - 日刊スポーツ(2020年3月24日)

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★野党は自殺した財務省職員の手記を巡り、世論に押される形で、中途半端に終わっていた森友学園事件の再調査などを要求し始めた。首相・安倍晋三夫妻、副総理兼財務相麻生太郎ら政権中枢の事件が蒸し返される。これで政権は立ち行かなくなるのではないか、安倍政権は年貢の納め時と感じる人も多いだろう。

★ところが政界の水面下では全く別のとんでもないプランが進行している。19日にスタートした与野党合同の連絡協議会で経済対策や感染拡大の防止策などについて野党から要望を聴取したが、与党の目的は大規模補正予算の早期実現なのだが、野党はそこで主導権争いを始めた。立憲民主党と国民民主党は、国民が消費税率5%への引き下げを言い出してもめ、れいわ新選組は協議会への参加を立憲に断られたと反発した。前後には立憲と国民の統一会派解消の話も進む。立憲は特措法の審議で非常事態宣言を容認し離党者まで出したにもかかわらず、消費税引き下げに消極的なのも自民党が手を突っ込んできたからだ。立憲の野党共闘離れだ。

★政界関係者が言う。「年始の立憲・国民の合流は連合の一部と国民民主党代表・玉木雄一郎自民党が連立の鼻薬をかがせたからだ。今回も立憲に同様の鼻薬をかがせたのだろう。プランは安倍政権の倒閣で野党、自民党の反安倍勢力の結集。さすがの野党も安倍批判をしながら安倍政権と組むわけにはいかない。自民党としては倒閣の役割を野党に協力させ、また安倍後の政権に一部参画させることで共産党、れいわ新選組と野党を分離させ野党共闘を分断。野党結集の枠組みを崩壊させ、保守系野党議員を取り込んで野党を使い捨てする」。どうやら、れいわや共産と連立を組むことの野党内アレルギーを利用して安倍政権を倒そうという動きらしい。実現させるには野党があまりにも脆弱(ぜいじゃく)なこと、自民党にそれだけの気概があるかと思うが。永田町だけで通用する理屈で国民不在。解散になれば野党は吹けば飛ぶのではないか。(K)※敬称略