(政界地獄耳)政治暗躍問わぬ進次郎にがっかり - 日刊スポーツ(2019年2月5日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201902050000082.html
http://archive.today/2019.02.05-002918/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201902050000082.html

★4日の衆院予算委員会自民党厚労部会長・小泉進次郎の質問に注目が集まった。小泉は歯切れよく「今すぐ答えを出さなければいけないのは、いつ、どのように追加給付ができるかを明らかにすることだ」と不正統計で被害を被った国民への迅速な対応や今後の見通しを厚労省と一体となってテレビの前のお茶の間を意識して解説した。その後、厚労相にこの不正統計の情報が早急に伝えられなかったことを問うた。役所の構造的な弱点をあぶりだし、隠ぺい工作が優先されたことを叱責したものの、大臣の責任もあるが更迭で解決するのかと厚労相根本匠を擁護し、厚労省改革にすり替えた。

★しかし、野党が厚労省不正統計問題の責任者である前政策統括官・大西康之(局長級、1日付で大臣官房付に異動)について政府参考人としての出席を求めたものの「現職ではない」との理由で与党が拒否したことなどには言及しなかった。しかし、森友・加計学園事件の時でさえ現職でない元首相秘書官や元理財局長が答弁していると考えれば極めて異常な対応といえ、国会改革を訴えた小泉がこの問題に触れない限り国会改革の問題はひとえに与党サイドの不作為の域を出ない。

厚労省改革でお茶を濁すのならば厚生省と労働省の分割論に言及するぐらいの議論をリードしてほしかった。また、この問題は政治の暗躍がささやかれているにもかかわらず、厚労省問題との矮小化に努めるさまは少々痛々しい。国民の期待の高い人気代議士の久しぶりの予算委員会での質問ということで注目されたが全くもの足りない質疑だった。(K)※敬称略