(政界地獄耳) 自称首相候補・野田聖子の苦しい説明 - 日刊スポーツ(2021年3月15日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202103150000115.html

総務省と歴代総務省政務3役接待疑惑を見ると、総務省とは何なのか、郵政民営化とは何だったのかと考えたくなる。総務省は戦前の内務省を連想させる。内務省は地方行財政、警察、土木(建設)、衛生(厚生)、国家神道などの国家基盤を担う行政機関だったが、総務省は行政組織、公務員制度、地方自治、選挙・政治資金、消防、情報通信、郵便行政、統計などを扱う。2001年の省庁再編で自治省地方自治)、郵政省(情報通信)、総務庁(行政管理・監督)が統合された。

★その後、首相・小泉純一郎が05年に郵政民営化を政権の柱に据え、郵政解散までして実現した。その時、郵政民営化に反対した多くは郵政大臣経験者などの郵政族で公認が得られず苦労した。その1人が野田聖子だ。野田は反対の急先鋒(せんぽう)ではなかったが郵政民営化法案に反対票を投じたため公認を得られなかった。安倍政権になりその多くは厳しい踏み絵を踏まされて復党し、野田は17年、第3次安倍(第3次)改造内閣で再度総務相として帰ってくる。

★野田はその時のNTTの施設での接待を「接待という認識はない」「プライベートな会合」としている。そもそも会費を最近返却したのは、接待の認識があったからではないのか。勉強会ならばNTTの施設を使う必要もない。いずれも体裁を繕う方便に聞こえる。野田が総務相当時、官房長官菅義偉が携帯電話値下げを言い出したことも鑑みればNTTサイドは少なくともそんなのんきな会合を開いている時期ではなかったはずだ。野田はこの問題をこんな言い方で乗り切れると思っているのだろうか。いやしくも首相候補を自称し、総裁選出馬を公言するのならばもう少し覚悟をもって発言すべきだ。(K)※敬称略