(政界地獄耳) 答弁拒否とは寝ぼけてるNTT社長 - 日刊スポーツ(2021年3月16日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202103160000082.html

★15、16の両日行われる参院予算委員会の集中審議では東北新社やNTTの官僚や政治家、政務三役への会食が主なテーマとなった。だが、ごちそうになった段階で、そこに職務権限の有無や仕事の話をしたか否かの問題の前に会食ではなく接待というべきだと双方が認識すべきだ。片方が一方的にその会合の支払いを持ったのならば、そこで接待になるのではないか。

★NTT社長・澤田純は質疑で首相・菅義偉との会食はあったかの問いに「NTTは3分の1の株を政府が保有している特殊会社だ。それと同時に上場会社でもある。上場会社の社長が個別にどなたかと会食をしたか否か、これを公の場で公開することは事業に影響を与えるものだと考えている。個別の会食については控えさせていただきたい」と答弁を拒否した。政府が株を保有する特殊会社だからこそ、政界関係者との会食が1つ1つ疑念や疑惑を持たれるのだから、会食自体を慎重にすべきだ。答弁の性質があべこべだ。既にその会食が問題となって国会にまで呼ばれているのだから、控えること自体無意味だ。上場会社の品格すらないといえる。いずれにせよ、ほとんどの国民はNTTに支払いこそあれ、支払ってもらうことなどまずない。澤田は堂々と寝ぼけたことを言っているにすぎない。

★一方、総務省は13日、利害関係者と会食する際に必要な省内の届け出が過去5年間で8件しかなかったと公表した。形骸化していたのか、業者との会食は監督官庁の当然の役得と考えていたか、接待をされることを承知で利害関係者の誘いに乗っていた実態が明らかになった。加えて総務省は15日、NTTによる高額接待の調査は、放送や情報通信を担当する部局の課長級以上など現役職員144人を対象に広げたと発表した。大蔵省は軽い気持ちで接待を受けていたものの、最後は逮捕者を出し、大蔵省は解体された。お仕えした菅“大臣”は守ってくれない。(K)※敬称略