(政界地獄耳) 身内にやさしく国民置き去りの政治 - 日刊スポーツ(2021年3月2日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202103020000123.html

衆院予算委員会の開催までも遅らせるなど、最後の最後まで国民のための内閣広報官ではなく自己都合の国家公務員という名の上級国民が辞表を提出した。加減が悪く入院中だというから心配だが、最近の自民党議員の常とう手段が入院して辞表、またはしばらく入院してケロッと国会に戻ってくるやり方が続いているので、どうしてもうがってみたくなってしまう。辞職後も退院され、元気になられ飲み会を断らないまでに回復されたら、改めて内側ではなく、国民に向けた説明責任を都合の悪いことだけ記憶がなくなったり、あいまいになることなく果たしてもらいたい。

★昨今の身内にやさしく国民置き去りの政治はどうやって正せるのか。高級官僚として上り詰めた人物だからこそ語れることをきちんと国民に語ってもらいたい。総務省は相変わらず調査委員会を立ち上げ、なぜ発覚したのか、情報源の特定に血道をあげているようだが、本来は国家公務員倫理規程がなぜほごにされているのかを外部を入れて検証するべきだ。オリンピック(五輪)を前にパワハラ、セクハラ、暴力が横行していたアマチュアスポーツ界は多くの競技団体で選手たちが声を上げ、今までの失敗を正そうと努力した。なぜそれができないのか。また大臣の責任はないのかと問われるべきだ。

★過去の不祥事からいまだに財務省は接待と聞くだけで身構えるという。総務省自治系の連中は、地方で接待の実態を突きつけられ住民訴訟を受け、損害賠償を払っている経緯がある。自分がのんだ分を返したのならいざしらず、たまたま赴任した時期に敗訴して、のんでもないのに役職に応じて返還させられた事例はいくらでもあり、倫理法以降、割り勘でない飲み会はなくなった。だからこそ郵政系ののんきな対応が霞が関内でも異様に映る。政治家が官僚を骨抜きにしたのだろうが、それだけでもあるまい。(K)※敬称略