(地獄耳) 予算委「言えないことある」2人が質問者? - 日刊スポーツ(20年11月2日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202011020000061.html

★今日2日から国会は予算委員会がスタートする。期間は短いものの、首相・菅義偉が就任してから最初の予算委員会での論戦になる。この内閣は「国民のために働く」内閣だからよもや答弁拒否や「言えないことがある」などと、国民のためにならないことはなかろうと思っていたが、既に行われた首相の所信表明や代表質問の答弁を聞いていると、先が思いやられる。しかも自民党内も同様の見方をしている節がある。

★菅政権はいまだに党内で着実な認知を受けていないのではないかと心配になる。確かに前首相・安倍晋三が投げだした政権の後を担うのは、骨が折れることかもしれない。だが、それを承知で最高権力者になったのならば、スローガン通り国民のために働いてもらわなくてはならない。与党にいようが野党にいようが国民のためにならないことをただすのが議会の仕事ではないか。

衆院予算委員会自民党質問者は党政調会長下村博文と元経産相小渕優子という。首相にただすよりもこの2人に国民はただしたいことの方が多い。きちんと国民に説明すべきことがたくさんあるが、2人とも「言えないことがある」ようだ。質問者にこの2人を選んでいることに疑問を感じていないところに国民は「国民のために働く」と思えないのではないか。

★もう1つ。先週、国民民主党幹事長・榛葉賀津也は会見で、首相の学術会議会員候補6人の任命拒否について「予算委でただしていかなければならない」としながらも「生活に密着した問題でなく国民の反応が(国会の)議場ほどではない」と指摘した。野党はこの発言をどう受け止めるか。政治的な判断と胆力が問われる。(K)※敬称略