(政界地獄耳) 森羅万象担当の安倍はどう言い逃れる? - 日刊スポーツ(2020年1月29日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202001290000032.html
http://archive.today/2020.01.29-002118/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202001290000032.html

★満を持すかたちで27日、衆院予算委員会が始まった。首相・安倍晋三は昨秋の国会では予算委員会に出席せず、いや開かせず逃げ続けたが、補正予算と本予算審議に出席しないわけにもいかず、野党は手ぐすね引いていた。初日は既に昨年から言われていたことをただすというやりとりだったが、首相の答弁には目を見張るものがある。この調子だと、不規則発言や激高する場面も早晩起こりそうだ。

★野党が攻め立てたのは桜を見る会のいわゆる前夜祭のホテル明細書提出と、破棄された招待者名簿の再調査だが、官房長官菅義偉は「そもそも招待者名簿は1年未満で廃棄していいルールだ。調べる必要はない。国家機密漏えいの危険が増す」とまで言い、にべもない。過去の話と葬りたいのだろうが最新の話題、自民党参院議員・河井案里の陣営が昨夏の参院選で党本部から1億5000万円を受け取っていた件で首相は「一般論として党本部から党支部への政治資金の移転は問題ないと認識している。個別の事例については答弁を差し控えたい」と述べた。

★いずれも税金が投入されている部分でもあり、政治とカネ、税金の使い方や運用への疑問だ。少なくともそこに疑義があるのならば知らぬ存ぜぬ、再調査せぬでは通るまい。「コメントする立場にない」と首相は言うが、昨年の予算委員会で首相は「総理なので森羅万象すべて担当している」と胸を張った。ある時は「悪夢のような民主党政権」と言い、時には「民主党政権でもやっていた」と政界では当然という場合に使う。まさに森羅万象を担当するだけのことはあるがいずれも言い逃れの時に使うことで切り抜けてきた。この余裕はいつまで続くか。(K)※敬称略