(地獄耳) 疑惑は何ひとつ整理解決されず…予算成立 - 日刊スポーツ(2020年6月13日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202006130000095.html

★12日に20年度第2次補正予算は成立したが、11日の参院予算委員会立憲民主党副代表・蓮舫の質問は極めて秀逸だった。コロナ禍で収入が落ち込んだ中小企業を支援する持続化給付金の業務委託について経産相梶山弘志を攻め上げた。事務作業を受諾した一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」を巡って9日、マスコミに公開した東京都内の本部事務所が1日で無人になったと指摘。

★「メディアが来た時だけ仕事をしている姿を見せて昨日から誰もいない。呼び鈴も内線電話も外された」と実体がないことをただすと、梶山は「経理の担当が銀行とやりとりをしているが、リモートでもできる」と抗弁。また「再委託、再々委託が大変問題になっている。適正だったか」と問うと、首相・安倍晋三は「ルールにのっとったプロセスを経て決定された」「この事業は1社では請け負えない。企業の連合体で受けるとの前提で、それぞれの役割分担の下に参加している」「中抜きというのはどうかと思う。仲介に入っている業者が懐に入れるものでは全くない」と説明した。

新型コロナウイルス対策の専門家会議の議事録について地方創生相・北村誠吾にただすも禅問答が続き「担当大臣はあなたですよ」と言うと北村は「必ずしもそうとは限らない」と開き直った。予算委員会の議事録にはこのお粗末な答弁が残り続ける。また、総務相高市早苗に対して給付にマイナンバーカードを使ったことやシステム障害が起きたことなど、大仰なシステムとサーバー費用が見合わないのではないかなど問うた。「サーバーは増やすんじゃなくて、時代はもうクラウドなんですよ」という迷言はネットでトレンド入りしたが、言わんとすることは理解できた。ただ党はこれらの質問を生かせたとはいえず、補正予算成立に賛成、来週国会は閉じられる。蓮舫がただした疑惑は何ひとつ整理解決されておらず、政権の能力は測れたが改善には至らなかった。(K)※敬称略