野党、初入閣組に照準=参院予算委、たびたび紛糾 - 時事ドットコム(2018年11月5日)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018110500936&g=pol
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5日の参院予算委員会で、野党側は初入閣組の資質に照準を合わせて厳しく追及した。攻撃対象となった片山さつき地方創生担当相らは的確に答弁できず、審議はたびたび紛糾。待機組を大量登用し「在庫一掃セール」ともやゆされる改造内閣への不安が早くも的中した格好だ。
「上から目線、人権軽視とも取れる発言が多い。生活保護バッシングの先頭に立っていた」。立憲民主党の杉尾秀哉氏は、片山氏が「生活保護は生きるか死ぬかのレベルの人がもらうもの」と発言したことを取り上げてこう指弾した。
片山氏は当初、「所管外なので答えは差し控えたい」と逃げの一手だったが、野党議員から猛烈なやじを浴びて質疑が中断すると、「もし不快に思われた方がいたら大変申し訳ない」と陳謝。かつて四国を「離れ小島」と表現したことも指摘され、「気分を害した方がいれば誠に申し訳ない」と渋々語った。
国税庁への口利き疑惑でも追及を受けた。片山氏は、会社経営者から100万円を受領したとされる税理士について、私設秘書ではないと説明している。ただ、杉尾氏から、この税理士のため秘書用の国会通行証の申請書に押印したか問われると「どちらの事務所でも、秘書がはんこを押しているものがたくさんある」と、まるでどこの事務所でも行っているかのように強弁。審議は中断し「失礼な発言があった」と発言の一部を撤回した。
一方、桜田義孝五輪担当相は、立憲の蓮舫参院幹事長から2020年東京五輪パラリンピック関連予算の膨張について指摘され、「東京都や組織委員会を支援したい」と見当違いの回答。「多様性と調和」など三つの大会ビジョンもすぐに答えられなかった。
蓮舫氏は出入国管理法改正案をめぐり、新設される在留資格で滞在を続ければ永住権を申請できるかもただした。同改正案を所管する山下貴司法相は「自動的に認めるものでもない」と答弁。だが、繰り返し追及されると、最後は「10年で要件は満たす」と認めた。蓮舫氏は「移民政策への入り口だ」と指摘した。
自民党内では、「新閣僚がターゲットにされている。片山氏は厳しいかもしれない」(中堅)と先行きを危惧する声が上がる。立憲幹部は「もっと深みにはまってもらう」と語った。