https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202005260000249.html
★メディアは辞職した東京高検検事長・黒川弘務の退職金やら、マージャンの賭け金の少なさから、検察の身内に甘い体質についてなどと人ごとのようにふるまっているが、余人をもって代えがたいと首相と法相がべた褒めする検事総長候補は実は大の賭けマージャン好きの博徒だったということと、訓告という処分が官邸の決定だったことが大きなポイントだ。そしてもう1つの問題は産経新聞の前司法記者クラブのキャップの自宅が賭けマージャンの舞台になっていること、産経のもう1人の記者は法相のインタビューなどで検察官の定年延長に一役買っていた。朝日の社員も元司法担当記者という。
★実名報道をうたう新聞社がこれだけの大事件の一方の当事者の実名報道しない理由は何なのだろうか。賭けマージャンもステイホームの時期の行動も、取材だから匿名なのだろうか。それならその時の様子はなぜ記事にならないのだろうか。遺族が嫌がろうとも実名で報道してきた新聞は身内には極めて甘いのか。他社もその実態を知りながら、いや関与しているから頬かむりなのだろうか。
★問題は記者の取材の仕方や流儀の問題だけではない。記者クラブ制度については内閣記者会と首相会見の茶番を見せられて国民には御用記者という言葉が浮かんだはずだ。この制度に問題があるのではないかとの指摘もあるが、この制度があるから他社も含め護送船団で匿名を守り、黒川ともう一方の当事者については触れないのだろうか。女優の大竹しのぶは22日、インスタグラムに「検察官というのは法を犯した人を起訴できる唯一の仕事であるはずなのに、その人が、かけ麻雀をしていたなんて、しかも事実を伝えるべき仕事の新聞記者と」と記し「自粛を守り、沢山の人が苦しい思いをしています。長い間守ってきたお店を閉めた人、面会することも許されず、病院で亡くなった方もいることでしょう。先が見えずに命を絶ってしまった方もいました。犯罪に走った人も。そして命をかけて働いている医療従事者の方たち、明日からどうやって生きていけばいいのか、途方に暮れている人たち。そんな人がいる中で、なぜ麻雀ができるのだろう。わからない」とつづっている。新聞は沈黙し続けるのか。(K)※敬称略