【政界地獄耳】18歳成人法 取り締まる側は? - 日刊スポーツ(2022年4月1日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202204010000063.html

★昨年9月、千葉県警本部で初任の警察署に配属された後、再び警察学校に入校し「初任補修科」と呼ばれる授業を受けていた当時19~22歳の男性警察官24人は警察学校の寮で休憩時間や夜の自習時間などに複数回、100円から5万円の現金を賭けて、「大富豪」や「ブラックジャック」などのトランプゲームなどをしていた。千葉日報によれば「一晩で数十万円をもうけた巡査もいた」という。県警は賭博の疑いで24人を3月30日に書類送検した。今後、内部処分を検討する。

★刑法185条は「賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときはこの限りでない」と厳格な法がある。1円でも賭ければ賭博罪は成立する。そこで思い出されるのが20年5月、週刊文春が当時の東京高等検察庁検事長・黒川弘務が産経新聞記者2人と朝日新聞記者1人と賭けマージャンしていたというスクープ。黒川は安倍政権に近いといわれ、その年の2月に定年を迎える予定だったが、定年を延長の閣議決定を1月にして、検事総長に強引に据えようとしていた。結局、黒川は退職した。

★当時の法務省刑事局長・川原隆司は「旧知の間でレートはいわゆる点ピン。1000点を100円と換算されるものでございまして、もちろん賭けマージャンは許されるものではありませんが、社会の実情をみましたところ高額と言えないレート」(1回の勝ち負けがおよそ2万円)と述べ処分は訓告で済んだ。当時の法相・森雅子も黒川を擁護し続けた。世論は上級国民には法は優しく、超法規ではないかと指摘。コロナ禍の緊急事態宣言の最中の出来事、新聞と司法幹部とはこれほど距離が近いのに新聞記者は名前さえ出さないなどすべてが特別扱いの事態となった。さて千葉の若い警察官たちはどうなるのか。今日から成年は18歳に引き下げられる。(K)※敬称略