https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202005140000043.html
★これほど検察のニュースで連日にぎわすのは、1992年9月、東京地検特捜部が東京佐川急便から5億円の裏ガネをもらっていた自民党副総裁・金丸信(当時)に対し、政治資金規正法違反で略式起訴、20万円の罰金刑で事件を終結させた時以来だろう。そこで嵐のような検察批判が起き、役所の「検察庁」の石碑には黄色のペンキ缶が投げつけられた。検察の大物政治家への忖度(そんたく)に国民が怒ったのだ。威信失墜の検察は再捜査に乗り出し93年3月、金丸を脱税で逮捕。退官予定の大阪高検検事長・吉永祐介が東京高検検事長を経て検事総長に着任し、検察を立て直した。今の構図と全く逆だということがわかる。
★ネット上で広がった「#検察庁法改正案に抗議します」の投稿は、700万件を超す勢いだ。12日、首相・安倍晋三は衆院本会議で「インターネット上でのさまざまな意見に政府としてコメントすることは差し控える」としたのは、野党もメディアも本気で止めようとしていないから大丈夫という余裕だろう。本来良い国民と悪い国民を分けてきた政権らしい考えだが、都合のいい世論とは歌手・星野源と安倍首相のコラボ動画に官房長官・菅義偉は「(首相のツイッターで)過去最高の35万を超える『いいね』をいただくなど大きな反響があった。なかなか(政府の発信の)手の届かない若者にSNSでの発信は極めて有効だ」と批判以上に35万以上の「いいね」は重いと解説してみせたことだ。
★ところが12日の会見で菅は「(法案の)内容に問題があるとは考えてない。インターネット上にはさまざまな意見がある」とあっさりと退けた。一方、メディアは「買収の疑いで前法相・河井克行を立件する方針」と書きたてる。国会はコロナ禍で自民党内から「6月の会期末にこだわらず通年国会にすべき」との声が出始めた。会期中の議員逮捕に必要な「逮捕許諾請求」を拒否すればコロナが収まり、国会が閉じるまで河井夫妻は国会議員であり続ける。政府や検察は色のついたペンキを投げつけられない限り無視を決め込むか。(K)※敬称略
泉田裕彦議員、ご自身のツイートで、「強行採決なら退席」と明言されています。国会議員の良心に従った方針表明に、拍手です。 https://t.co/Cf4414Jd0h
— 郷原信郎【「深層」カルロス・ゴーンとの対話 起訴されれば99%超が有罪となる国で】 (@nobuogohara) May 13, 2020