(政界地獄耳)「国会休まず」安倍にクギ刺した二階 - 日刊スポーツ(2020年4月3日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202004030000038.html
http://archive.today/2020.04.03-000345/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202004030000038.html

★冷戦時代、米ソは五分後の未来も見えなかった時期があったろう。新型コロナウイルスは、まさにそれと同じ状況だ。今そこにある危機に対処するのが精いっぱいという世界の実情を報道で見る。だがそれを横目に、政治は手をこまねいているわけにはいかない。政府は今そこにある危機に対して、対処することで精いっぱいかもしれない。

★先月30日、自民党幹事長・二階俊博は「国会を休会すべきではないか」との問いに、会見で「その時の事態の規模などケース・バイ・ケースでよく判断したい。国会はそんな簡単なものではない。コロナも大変で大事なことでもありますが、国会は休むとかどうとかいうことは、そんなに簡単に決めるべきものではない。ただし後れを取ってはならないし、一刻を争うことですから、それはそれできっちり対応しますから。私は、国政は片時も休むことはできないと常々思っております」と立憲主義ぶりを強調した。首相・安倍晋三はコロナ禍のみならず、夫人の自由奔放な夜遊びや蒸し返された森友学園事件への質問と、一刻も早く国会を閉じて官邸主導の緊急事態宣言の指揮を執りたいだろうが、二階がくぎを刺したといえる。

★もっとも、自民党の経済対策は官邸に採用されなかったものの、お肉券やお魚券とお粗末の限り。その知恵のなさにがっかりしていたら、首相は全戸にマスク2枚を配布すると言い出した。野党も消費税下げろ、金を配ればかりだが、国会で審議すれば政府案に賛成するだろう。政府は直近の危機を乗り越え、国会は大政翼賛会的にまとまる時期ではなく、3カ月後、半年後、1年先の我が国の立て直しについて準備と議論を重ねるべきだ。この後手後手でスピード感に欠け、失策続きの政権の教訓をどう生かすかは、国会の議論にかかっているのではないか。二階の「国会休まず」に、与野党は答えるべきだ。(K)※敬称略