来年の五輪開催がどう考えても無理な理由、「リモート競技」を検討すべきだ - ダイヤモンド・オンライン(2020年4月2日)

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コロナが世界的に爆発的な広がりを見せる中、東京五輪は「来年7月の開催」を決めた。しかし、ワクチン開発には時間がかかると言われているし、経済がボロボロになる国も多いはず。そんな中で、世界中の人を東京に集めて開催するというのは、再び感染者を増やしかねない方法で、あまりにも非現実的である。(ノンフィクションライター 窪田順生)
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よく言われることだが、海外では「五輪」に日本人ほどの強い思い入れはない。そもそも競技自体を地上波で放映していない国も多く、「そんなのやってたの?」という人も多い。昨年10月、日本政策投資銀行と公益財団法人日本交通社が世界の12地域、6000人を対象として行った調査でも、欧米豪でTOKYO2020について知っていると回答したのは3~4割。ASEAN諸国でも2割前後だ。そのあたりは、デーブ・スペクターさんも「ニューズウィーク」(3月28日)でこのようにおっしゃっている。

アメリカ人の認識では、アスリートはあくまで自分がそのスポーツをやりたいからやっているわけで、国のためにやっているわけでもないし、見ている側もアスリートにお願いしてやってもらっているわけではない。(中略)でも日本はそうじゃなくて、特にそのスポーツのファンでもないのに、必死でがんばってきた選手をみんなで応援しなくてはいけないような雰囲気がある」

アメリカでも、記録を出したり成功した選手のことはものすごく尊敬する。だからといって日本のように、国のためにがんばってくれて有難うございます、というのはない。アメリカはもっとビジネスライク。日本はアマチュアスポーツをよいしょしすぎだと思う」

新型コロナによって、我々の社会は大きく変わらざるを得なくなっている。半世紀以上前に日本人の心に植え付けられた、呪いのような「負のレガシー」はそろそろ捨て去って、民族主義を鼓舞する自己満足的な商業イベントから、本当の意味で「スポーツで平和を実現する」という五輪を目指すべきではないのか。

 

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