(政界地獄耳) もう世論調査どころじゃない - 日刊スポーツ(2019年12月26日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201912260000083.html
http://archive.today/2019.12.26-011750/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201912260000083.html

★メディアの世論調査に一喜一憂する必要はない。内閣支持率と国政選挙の結果が一致することもないし、その時節ごとのトレンドと考えて引きずられることはない。内閣支持率が下がったからといって野党の支持率が上がっているわけでもない。政権の評価は実績だが長い目で見る必要がある。

★しかし「桜を見る会」にしても首相夫妻による税金で開く会の私物化、前夜祭での不透明な金の流れ、反社会勢力への招待、ジャパンライフなどマルチまがいの宣伝に利用された疑い、招待客名簿を意図的に廃棄した問題など「桜」ルートだけでも幾ルートにも広がる。野党は広がった疑惑に翻弄(ほんろう)され的を絞り込めていない。だが「桜を見る会」疑惑が発覚する前には公選法違反が濃厚で経産相を辞任した菅原一秀、法相・河井克行は夫人で参院議員・河井安里の公選法違反容疑に「私は就任したときから法務行政に対する国民の信頼を損ないかねないことが起きたときには、ためらうことなく自ら辞する覚悟を持ち続けた。その覚悟を発動すべきときと考えた」と訳の分からない説明をして辞任した。

★それだけではない。かんぽ生命の強引な契約に関してその処分案が総務事務次官から漏えい、次官は事実上更迭された。首相補佐官和泉洋人厚労省大臣官房審議官・大坪寛子の公費を使った京都出張「デート」。官房長官菅義偉は「京都市内での移動は私費で支払っており適切に対応したと聞いている」と問題ないという認識を示した。IR法成立の立役者、元内閣府副大臣・秋元司が中国のカジノ企業から献金を受けるなどの容疑で東京地検特捜部に逮捕、なお複数の現職議員が捜査線上に浮かんでいるといわれている。これだけの政権に関わる事案がほんの2カ月余りで起きている。しかし内閣支持率は微減だ。つまり世論調査などあてにする必要はない。この政権は既にとんでもないところに来ている。世論調査の結果どころではないということ気付かなければならない。(K)※敬称略