(政界地獄耳) 五輪開催、政権の主張に国民がクギ - 日刊スポーツ(2021年1月12日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202101120000051.html

世論調査が万能とは思わないが、国民の一つの指標にはなるだろう。政治家にとっては占いのようなもので数字がよければ信ずるし、悪ければ無視したい。だが侮ってはいけない。1月の各メディアの世論調査が出始めた。TBSのJNN世論調査で、菅内閣の支持率は先月より14・3ポイント下落して41・0%となり、不支持率は55・9%と、支持と不支持が前回調査から逆転した。共同通信では先月調査より9・0ポイント下落し、支持率は41・3%。不支持率は42・8%で、不支持と支持が拮抗(きっこう)した。いずれも政権には打撃だが、就任当初の数字が高かった分、その落胆が大きいということだろうか。

★不支持理由のトップは、共同が「首相に指導力がない」で41・2%。TBSは「政策に期待できない」で、37・6%だった。コロナ対策の無策や決定の遅さ、強引なGo To トラベルの施行と批判があっても止めない判断の鈍さや、世論動向が読み切れない判断力に批判があるようだ。それにしても下落率が高い。今年総選挙がある年と考えれば、先手先手が政権には必要だろうが、国民はそう見ていないのが分かる。

★18日から通常国会が始まり、まずは3次補正予算の審議がある。大盤振る舞いだけでは国民は納得しまい。本予算の審議入りは来月からだろうが、この調子で政権はもつのだろうか。同時に来月までには1年延期した東京オリンピックパラリンピックの開催の是非が問われるタイミングもやってくるだろう。TBSでは「開催できると思わない」が81%、共同では「再延期するべきだ」が44・8%で、「中止するべきだ」が35・3%だ。首相・菅義偉の言う「感染対策を万全にし、安全・安心な大会を実現したい」や、2月下旬を目指す新型コロナウイルスのワクチン接種開始などで「国民の雰囲気も変わってくるのではないか」(7日の会見)という主張に、国民がくぎを刺したことになる。政権運営は厳しさを増す。(K)※敬称略

 菅内閣 支持率は?調査日 2021年1月9日,10日 定期調査(TBS NEWS)

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